タヒチのモーレア島で「ジャングル乗馬」に挑戦【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
変化に富んだコース!
さて肝心の乗馬。決められたルートを隊列を組んで歩くのですが、コースは変化に富んでいて本当にあきません。 重心を考えて登りの際は前かがみに、下りの際は体を後ろにそらせると良いとのこと。このあたりもポエイチヘレがマンツーマン状態で教えてくれます。 乗馬というと「草原」とか「モンゴルの荒涼地帯」が頭に浮かんで、ハッキリ言って南の島でのイメージがわかなかったのですが、ジャングルを抜けたり神々しい山々に囲まれたりしての乗馬も素晴らしい経験です。 さて最初の予告通り、トゥキは道中まさにしょっちゅう道草を食います。で、ポエイチヘレに「トゥキには好きな葉っぱとか嫌いな葉っぱはあるんですか?」と聞いてみたところ「ある」とのこと。 でもそれはトゥキだけでなく、すべての馬に共通した好みとのこと。下に生えている葉にも好みはあるけれど、特に好物なのはバナナとかパッションフルーツの葉っぱだとか。少し甘みがあって水分も多いのだそうです。 「間違って毒の葉っぱとかは食べたりしないんですか?」と聞いたら、子どものころ母親や年長の馬たちからどれを食べるか教わるらしいです。馬はとても記憶力がいい動物とのこと。 そして大人の馬は草だけなら1日に100キロ食べるそう。もちろん草だけでそれほど食べさせることはできないので、果物や飼料も与えるのだとか。 さて「好き嫌い」というと「食べ物」だけでなく「馬同士」にもあるそう。そして「トゥキは特に好き嫌いが激しいですね」とのこと。…やっぱりそうだったか、トゥキ。 休憩時間(馬の食事時間)にいちばん嫌いな馬が近く来て、またトゥキが少し暴れてポエイチヘレが慌てて引き離しました。 それから隊列の前を歩くメスの馬も好きではないとのこと。ポエイチヘレによると「前に置くとトゥキが彼女を蹴るのでこの順番にしているんですよ」。 なんて説明してもらっているそばからその馬のお尻を噛んで、逆に後ろ蹴りを食らわされているあわれなトゥキ。笑 だったら彼らを離したらいいと思うのですが、すべての馬に好き嫌いがあるから隊列を組むのはそれなりに大変らしいです。 さてツアーにはなぜか人間を乗せない子どもの馬がついてきています。 生後6ヵ月。1歳馬は人間でいうと6歳くらいとのことなので、まだ3歳くらいの幼児といったところでしょうか。さすがにそれだと人を乗せられないのでしょう。 その馬はあちこち動き回るけれども、結局私の後ろ、エミが乗っている馬のそばに戻ってきます。聞けば後ろの牝馬の子どもなのだそう。ということは牝馬が出産したということ。 「競走馬のようにどの馬とどの馬かを決めて…カップリングさせるんですか?」。若い女性相手に言葉を選んで質問するオヤジ。「いえ、知らない間に妊娠しているんですよ~」。へえ~、そうなんだ。。馬だって恋したいよね、きっと。 さてこの乗馬体験、インストラクションも含めて2時間半。1頭と2人の相棒との時間をたっぷり楽しみました。 旅は道連れですね。 今回の「TAHITI DISCOVERY」ツアーに関する日本語での手配問い合わせ先(ただしツアーそのものは日本語非対応):タヒチ・ヌイ・トラベル 私が書きました! オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ) 柳沢有紀夫 1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係。
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