マクラーレンのすべてが注ぎ込まれた新型「W1」とは、どんなクルマなのか?
1974年の10月6日、マクラーレンがF1で初のコンストラクターズ選手権を獲得した年、発表されたW1。その新型には、マクラーレンの最高がすべて詰まっていました。その全貌を紐解きます!
新型W1は0-100kmが2.7秒!?
オヤジさんが若かりし頃、ジェントルマン・ドライバーが憧れの存在でした。ふところがあったかで、レース好き。スティーブ・マックイーンとか、「男と女」のジャン=ルイ・トランティニャンをいまもクールと思うオヤジさんに、ぜひこれを、とお勧めしたいのがマクラーレンの新型「W1」です。
炭素素材を使った「マクラーレン・エアロセル」なるレースカーなみに高価なモノコック構造のシャシーをもつW1。 4リッターV8(683kW)に、まるでF1のように、瞬発的なパワーのためのモーターとコントロールユニットを一体化したEモジュール(255kW)の組み合わせ。
トータル出力は1275ps(938kW)、最大トルクは1340Nm。Eモジュールによって、静止から時速100kmまでを2.7秒で加速できます。時速200kmまでも5.8秒。 F1から応用したというフロントサスペンションが、「エアロセル」シャシーに直接取り付けられているという、超本格派。しかも、このエアロソルシャシーには、軽量化のためシートが一体化構造となっているのです。
通常はシートを動かしてドライビングポジションを調整しますが、W1ではちがいます。ペダルボックス(アクセルとブレーキ)と、ステアリング系が可動式。本格的なレースカーではありませんか。 W1ってネーミングも、マクラーレンのこだわりです。マクラーレンに詳しいオヤジさんなら先刻ご承知と思いますが、同社にはこれまで超がつくこだわりで作りあげた「1シリーズ」というスーパースポーツカーがあります。 F1(フォーミュラワン)設計者が開発に携わりルマン24時間レースでも優勝したスーパースポーツカー「F1」(1992年発表)と、驚異の高性能を誇ったハイブリッドスポーツカー「P1」(2013年)。これらのモデルが、これまでマクラーレンの評価を押し上げてきました。