「ヒット曲の作り方と幸福の見つけ方の共通点は?」絢香やSuperflyを生み出したプロデューサーの「回答」
情報をどのように摂取するのか
──外部からの情報を蓄えすぎて、それに囚われ、自分が見えなくなっている人は多いと感じています。著書のなかでも、外部の情報との付き合い方についてはページ数を割いて解説されていますね。 僕が目を通すメディアは数えるぐらいしかないんです。「それだけで大丈夫ですか?」と聞かれますが、災害時を別にして、情報を常にチェックする必要はないんです。僕はSMAPの解散すら何年も知らず、大谷翔平選手の存在も最近まで知りませんでした。でも別に知らなくても死ぬわけじゃないですから。 メディアに載っている情報ってすでに誰かがやったことで、古い二次情報にすぎないんです。アーティストのプロデュースも、人生も、そんなどうでもいい情報に踊らされて終わるなんてバカげてます。 ──では、いつも目を通すメディアはどのような基準で選ぶのですか。 歴史や実績があって、ファクトチェックがしっかりされているメディアや報道機関であることです。とはいえ、100パーセント正しいなんてことはありません。 ですが、SNSや個人のブログ、動画サイトに流れている情報の大半は、まったくファクトチェックがされていません。そこからの情報に影響を受けて、人生が変わるなんて恐ろしいことです。 僕のニュースソースは「NHK防災ウェブ」アプリのニュース欄と「東京新聞」アプリの速報、そして「ロイター通信」。すべて、無料です。いずれのメディアも過去に過ちを犯したことはありますが、気骨ある報道機関らしく都度改善をして再発防止に努めています。 あとは、世の中を大局的にとらえるために、「クーリエ・ジャポン」や「フォーブズ」「IDEAS FOR GOOD」といった、関心のあるコンテンツを扱っているメディアをチェックしています。 ──お話を伺っていると、四角さんは情報を栄養と同じように捉えていますよね。刺激の強い情報ではなく、本当に必要な情報を意識して、バランス良く「摂取」されているんだと感じました。 【インタビュー後編より】 僕は、昇給しても生活レベルを上げなかった。その結果、周りに反対されても、前例のない難しい仕事に挑戦できた。「生きるために必要な、最小単位のお金やモノ」を知ることで「いつ辞めてもいい」と思え、社畜にならずにすんだからです。
COURRiER Japon