パリ発、業界人もこぞって欲しがるテーラー『ハズバンズ』が切り開くスーツの可能性
「例えばジーンズは、ドレッシーなイブニングの真ん中ではネガティブに映りますが、それとは反対に、ブーツと組み合わせたスーツは、みんながジーンズをはいているようなカジュアルなイブニングの真ん中でもポジティブな驚きを与えてくれるでしょう。スーツは常に人々から慈愛を受けます。内気な人にとって、それは完璧なよろいなのです」
「ある意味、今日的にクラシックであることはほとんど破壊的で、カウンターですらあるかもしれません。 60~70年代はまったく逆で、クラシックは社会になじむという上で順応主義の証しだったのですから。今、私にとってストリートウェアは、ある種の順応主義として映るんです」 ガバール氏がつくるスーツには確かな哲学があり、その可能性を現代に示すものでもあります。 「ジャケットは少し長めの着丈、ラペル幅は広めにつくられています。アームホールは少し高め、肩幅は少し小さめで、よりシャープなシルエットに。フルキャンバス仕立てですが、これは見栄えのよさのみならず、長く丈夫に着られるというメリットがあります。パンツは主にハイウエストで脚を長く見せ、ウエストとヒップにより快適さを与えます。生地については重厚で、よりドライなものを選ぶことが多いです。それらはスーツに素晴らしいドレープを与え、美しい経年変化を保証してくれるからです」
服が先ではなく、自分を表現するために服がある
最後に、パリジャンらしい着こなしについて聞いてみました。 「実は、『これがフランス流だ』というものは存在しないと考えています。フランス人男性は皆、それぞれ自分のスタイルを持っています。しかし、服に対するフランス人の考え方、つまり、自分を表現するために服を使うという考え方があるのは事実です」 教養がある、カッコいい大人が着るもの、それが現代のスーツなのです。 「ハズバンズ」 住所/57 Rue de Richelieu, 75002 Paris 時間/11:00~19:00 定休/日曜
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