マイクロソフトのAIツール、Copilotがもたらすコーダーの働き方改革
このツールはあくまでアシスタントであり、人間のプログラマーの代わりにはならないとGitHubは強調しており、賢く利用する責任を顧客に課している。怠惰なプログラマーがCopilotの提案をそのまま受け入れることを防ぐには、強固なガイドラインが必要だとGitHubのトーマス・ドムケ最高経営責任者(CEO)は話す。同氏はエンジニアが互いに誠実であり続けることに自信を示した。
「チームには社会的な機能があるため、早過ぎるコードの受け入れやチームが定義したプロセスを怠るような不正が行われれば、そのコードが実装段階に達することはない」とインタビューで語った。
Copilotのようなコーディングアシスタントは今後、さらに革命的なものになるかもしれない。なぜなら生成AIはソフトウエアエンジニアが現在行っている作業の大部分を自動化する潜在的な力を秘めているからだ。
今のところは効率性を高めるのがその主な役割だ。ニューヨーク・シティー・カレッジでソフトウエア工学を教えるアフテニーブ氏によると、Copilotの予測能力のお陰で「流れ」を乱さない作業が可能になった。コーディング歴20年の同氏でさえプログラミング言語を忘れることがあり、検索で時間を浪費せざるを得なかった。「Copilotを使えば、今やっている作業を中断する必要がなくなる」とアフテニーブ氏。「意味不明のものが出てきても、いったんそれを受け入れて、後で自分で修正する方がまだ簡単だ」と述べた。
ソフトウエア開発歴15年を超えるアーロン・ヘッジズ氏は、Copilotが登場する前はバーンアウト(燃え尽き症候群)の状態だった。新興企業リードミーで働くヘッジズ氏はアフテニーブ氏と同様、Copilotのオートコンプリート機能を活用している。「エンジニアとしての経験が長いため、さっと見れば使えるかどうか分かる」と話す。プログラミングウインドーから離れずに質問できる点も気に入っているという。「わざわざ離れてブラウザーを開く必要がない。そうした作業は本当に邪魔だ」と述べた。