クルマの価値は販売台数だけじゃない! 不人気とは言わせないよ 愛されすぎた[トヨタ]車たち
■チャネル統合により終売を迎えたやんちゃ坊主
エスクァイアは兄弟のモデルチェンジで幕を下ろしたが、ビスタ店とネッツ店のチャネル統合で姿を消した1台が、ヤマハチューニングのエンジンを搭載し、イイ排気音を響かせていた、ヴェロッサである。 欧州テイストの個性的なエクステリアデザインに、CPUにまでチューニングの手を伸ばした心臓部は、このクルマに懸けたトヨタの本気度が見て取れる。ただスポーツするだけではなく、カッコよくエキゾチックに走り抜ける。それがヴェロッサの追い求めていた走りであろう。 インテリアはシブく真っ黒に染められているが、鮮やかな赤色照明を纏ったメーター類、アンバーイエローの室内イルミネーションが、このクルマのキャラクターをさらに濃いものとした。 生産されたのは3年にも満たない期間。しかし、市場に与えたインパクトは絶大だった。ドリフトを愛好するユーザーからの支持が根強く、5速MT車は現在も新車当時と変わらない値段で取引されることが多い。
■角目のランクルといえば彼しかいない!
歴代ランクルの中では、少しマイナーなポジションにいる60系。次代の70系は2023年に復刻して大人気となっているのだが、ランクルの魅力が大いに詰まっているのは、60系だと筆者は考えている。 前後リーフサスで、ランクルの堅牢性をしっかりと持ちつつ、ステーションワゴンとしての使い方もしっかりと提案する乗用車でもあるのだ。つまり、ヘビーデューティーの70とラグジュアリーな100・200・300系の特徴を両方持っている、ランクルということになる。 ただしラグジュアリー感のあるランクルと言っても、300系のようなボディの大きさは無い。乗用系のランクルとしては小さめなボディサイズが、100系が登場した後も、300系が人気の現代でも、変わらぬ支持を集めているのだ。 どこもかしこも四角い、後期型のデザインが60らしいという声も多い。オリジナルのままで乗り続ける人が多いのも、60系を愛するユーザーの特徴であろう。 それぞれのクルマを振り返ってみると、売れる仕掛けではなく愛される仕掛けが随所に見える。真の意味でカーライフを充実させるためには、ユーザーとクルマが相思相愛である必要があるのかもしれない。