大阪の特産品で新たな名物誕生を 食の都・大阪GP
天下の台所から天下のレストランへ
創作料理を通じて大阪産の知名度向上や市場拡大を狙う大会でもある。日高さんは「大阪産にはけっこういろんな食材がそろっている。季節によって旬の食材を使い分ければおもしろい。しっかり安定供給してもらえる態勢が整えば」と、生産者や流通関係者にエールを送る。府南東部の千早赤阪村ではイチゴ生産農家を育成し、都市部で人気の高級イチゴを村の特産品にする地域活性化プロジェクトが、官民連携で進行中だ。 天下の台所と呼ばれた近世の「大坂」。全国から集まる多様な食材が、食い倒れのまちの原動力となった。 現在は内外から多くの観光客が大阪を訪れ、訪日外国人の間でも、大阪が食の都であることは知られており、新たな味との出合い体験に期待が高まる。 どんな人たちがどのような思いで生産し調理して、ひと皿の料理に仕上がったのか。食材の持つ地域固有の物語が、格別の価値を生み出す時代を迎えた。天下の台所から、地元の食材を多彩な料理で提供する天下のレストランへ。食の都バージョンアップへのトライアルは続く。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)