「年収1000万円、2000万円…もっと稼ぎたい!」→住職が警告する「最も気をつけなければいけない感情」にゾッとする
ぼんやりとした将来への不安感や恐怖は、考えても無駄と分かっていてもなかなか頭から離れないものだ。私たちはついそんな不安や焦燥感をなくそうと試行錯誤するが、実はこうしたネガティブな感情は人間が生きる上で必要な感情でもあるという。不安や恐怖との向き合い方を、現役の人気僧侶が解説する。※本稿は、大愚元勝『自分という壁 自分の心に振り回されない29の方法』(アスコム)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 未来を想像する力が 不安を生み出してしまう なにか具体的な問題があるわけではないのに、なんとなく心がそわそわして不安になってしまう、ということがあります。 「不安」は、私たち人類が脳を発達させたことによって獲得した“記憶力”と“想像力”という、ふたつの能力のコンビネーションです。 怒りのグループに含まれる感情は、おもに今の出来事や過去の出来事について生じるものなのに対し、不安は未来に対して想像力を働かせたときに生まれます。 未来をあれこれと予測し、「こうなったらこうしよう」という対策を講じていくことは、危険を回避して生き延びていくために必要な能力です。 しかし、持っておいたほうが良い不安と持っていても意味のない不安があります。 例えば、なにかの試験があったとします。 「合格しなかったらどうしよう」と不安になり、一生懸命に勉強する。 これは目標に向かう活力になっているので、問題ありません。 一方、「将来がなんとなく不安」でモヤモヤしているけれど、なにをしたらいいかわからず、毎日を元気なく過ごしている。 これは、持っていても意味のない不安です。
不安を感じたときに大切なのは、自分がなにに対して不安を感じているのかを明確にすることと、それを解消するために具体的な行動をしていくことです。 具体的な行動に結びつけることができない「なんとなく不安」な感情は、持っていても意味がなく、ただ心が重たくなるだけです。 不安から抜け出したければ、そこをはっきりさせる必要があるのです。 ● 差し迫った命の危険はないのに 際限なく膨らんでいく「恐怖」 不安と近い感情に「恐怖」があります。恐怖は、物理的なもの、精神的なもの、あるいはその両方に対して抱く感情です。 例えば、自分より体が大きくて力が強いものに出会ったとき、危害を加えられたり、命の危険を感じたりするときに覚えるものであり、非常に動物的な本能ともいえるでしょう。 つまり、すべての生きものにプログラミングされている情動で、なにか危機となることを回避するためにも欠かせないものなのです。 一方、現代社会では差し迫った命の危険はないのに、必要のない恐怖を勝手に感じてしまうことで、生きづらさが生まれている印象を受けます。 そういう意味では、私は最も気をつけなければいけない感情ではないかと思っています。