「旬が終わったら捨てられる」と思っていたーー上京から6年、あいみょんの変化
一人暮らしで直面した「自立とお金」
東京に来たからといって成功が約束されているわけでもなく、慣れない土地での初めての一人暮らしに心細さを感じながら日々を過ごした。 「一人で生きていくのにどれだけお金がかかるかを知った時に、自立ってこれやなと思いました。東京は家賃も超高いですし、『まじか』と思って、通帳を見るのが癖になってましたね。『あといくらあるんやろう。足りるかな。怖いな』って、先々のことを全部計算したりして。遠くの安いスーパーまで行ったりとか、節約の感覚があったのはよかったけど。バイトもしてましたし、早く音楽でご飯を食べたいと思ってました」
精神的な支えになったのも、家族の存在。「東京に来て変わったこと、変わらないことは?」という質問に対して、「変わったことはいろいろあるかもしれないけど、変わらないのは家族に対する気持ち」と即答する。 「家族に対する気持ちはむしろ増すばかりです。家族のグループLINEがあるんですけど、私だけ違うところにいるから、会話についていけないことがあって、そういう時は悲しいですね。一回だけグループLINEから抜けたことがあるんですよ。私がバタバタしてる時に、お姉ちゃんから『ネイル行こっかな』みたいなLINEが入って、イラッとして。お母さんから『急に抜けるのやめて』って怒られましたけど」
結婚しても音楽はできるけど……
家族とのやりとりに支えられながら、上京から3年弱というスピードで「NHK紅白歌合戦」に出場。きょうだいは結婚し、子どもも生まれ、今では甥っ子と姪っ子が9人いる。そんな家族を見つめながら、自身の将来をどう思い描いているのだろうか? 「10代の頃は絶対23~24歳くらいで結婚してると思ってましたけど、やっぱり理想と現実にはギャップがありますよね。この間初めて友達の結婚式に行って、結婚めっちゃいいなと思いました。中学からの親友で、『ハルノヒ』を弾き語りしたんですけど、その子の顔を見ると泣いて歌えなくて、これが幸せなんやなって」