中日の根尾と石川の”ドラ1コンビ”はV奪回の切り札となるのか?
中日は9日、沖縄・北谷キャンプで紅白戦を行い、2018年のドラフト1位の根尾昂内野手(20)が白組「1番・ショート」、2019年のドラフト1位の石川昂弥内野手(19)が紅組「4番・三塁」で出場、根尾は3のゼロ、石川は二塁打を放ち明暗が分かれた。若き“ドラ1コンビ”は今季の戦力となるのか。
石川は変化球に対応して二塁打
存在感を示したのは2軍キャンプスタートとなっている1年後輩の石川の方だった。2回の第1打席。カウント1-2と追い込まれた状況で、2019年の開幕投手である左腕、笠原のひざ元に落ちてくるチェンジアップをうまくすくいあげて左中間を割った。 「直球狙いの変化球対応」 故・野村克也氏が分類していた打者パターン「A型」の基本を徹底して二塁打を放った。第2打席は、昨年の開幕時のクローザーだった左腕、岡田のストレートに差し込まれてライトへのファウルフライ。試合後は、室内練習場に走り、今キャンプで臨時コーチを務めている立浪和義氏からのアドバイスを受けた。 落合博満氏の監督時代に中日のユニホームを着て三塁ベースコーチを務めたこともある前阪神2軍チーフコーチの高代延博氏は、石川の成長に目を見張った。 「抜かれたボールにも対応した。タイミングを取る準備が早く、センター方向へとしっかりと体重移動ができていてボールに対する目つけに粘りがある。昨年はファームで対戦したが、将来クリーンナップを打つ素材だろうなと注目していた。元々、体がしっかりしていたが、さらに体に芯ができてきているように見えた。クレバーでセンスを感じさせる打者だ」 対して1年先輩となる根尾は課題の残る内容となった。 1回の第1打席は、今キャンプでの好調ぶりが評判となっている柳が投じた初球の139キロのストレートを打ち損じてセカンドフライ。3回も2死走者なしのフリーに打てる場面で左腕、小笠原の142キロのストレートに微妙にタイミングが合わずセカンドゴロ。5回は岡野に変化球でポンポンと追い込まれて最後は、142キロのストレートに手が出なかった。見逃しの三振である。紅白戦に結果は関係ないがあまりに内容が悪すぎた。 高代氏は根尾の課題を指摘した。 「1打席目も2打席目も甘いボール。狙って打ちにいって仕留められないことに問題がある。フルスイングを心がけているように見えるが、バットの軌道が体から離れているためバットに振られてしまうという状況になっている。バットのヘッドをレベルにするタイミングが早いので打ち損じが増える。また福留孝介のような手の動きでタイミングをとっているが、どこからバッティングを始動しているかが判断できないくらい。間を感じることができない。根尾も昨年ファームで対戦していた打者だが、第3打席のような狙い球の裏をかかれて万歳という打撃が散見された。追い込まれても、しぶとい石川とは対照的。根尾と同期入団の阪神の小幡は、長打はないが守備力に加えて追いこまれて粘れるので1軍に抜擢された。根尾はホームランバッターではないのだから、このあたりの改善が必要でしょう」