きょうだい差別をしてしまう…その心理と子どもの人格への影響は?専門家に聞いた
きょうだい格差・差別から心理的虐待に発展させないために
佐藤先生:きょうだい格差・差別は、きょうだいだけの問題ではありません。人間ですので、差をつけてしまいたくなる気持ちは理解できますが、エスカレートすると、「心理的虐待」につながることもあります。子育ては見えない線がいっぱいあり、その線引きがとても難しいものです。 ニュースなどで出てくる虐待の事件も、最初からあれほど痛々しいことをしていなかったはずです。どこかみんな同じようなことからスタートして、ある時それがエスカレートしていってしまい、心理的虐待から身体的虐待につながっていってしまったのではないでしょうか。 きょうだいを差別してしまう気持ちは、なかなか他の人には打ち明けづらいものですが、自分から気付くとで、虐待に発展せずに踏みとどまれることもありますので、誰かに助けを求める、話してみることをぜひおすすめします。
まとめ & 実践 TIPS
保護者のかたが子どもの気質に気付き、それを許容していくことで、きょうだいそれぞれの「その子らしさ」を引き出し、伸び伸びと子どもが育つようです。きょうだいでもそれぞれが違うことを理解すれば、「同じやり方で育ててもうまくいかないのは当たり前」と思え、子どもの見方が変わり、きょうだい差別も起きにくくなるのではないでしょうか。
プロフィール 佐藤めぐみ 公認心理師|オンライン育児相談室・ポジカフェを運営。専門は0~10歳のお子さまをもつご家庭向けの行動改善プログラム、育児ストレスのカウンセリング。英・レスター大学大学院修士号取得。書籍、メディアへの寄稿や監修も多数。