きょうだい差別をしてしまう…その心理と子どもの人格への影響は?専門家に聞いた
生まれ順による不満の特徴とは?
きょうだい差別を受けた子どもは、心が傷ついていくだけではありません。置かれた現状にさまざまな不満も覚えるようになります。きょうだいの中の生まれ順によって、不満を感じる点に違いがあることも多いので、その傾向をここで見ていきたいと思います。 【上の子が抱えやすい不満】 きょうだいがいると、どうしても下の子に手がかかってしまうもの。特に下の子の年齢が低いほど、親は下の子にかかりきりになってしまいがちです。上の子は「お姉ちゃんでしょ」「お兄ちゃんらしくして」と我慢を強いられることも少なくありません。 その結果、「弟(妹)ばかりずるい」と不満を感じ、なんとか親の気を引こうとして、わざとイタズラをしたり、困らせるようなことをしたり過度に甘えるといった「赤ちゃん返り」を見せることもあるでしょう。その様子を、「困らせることばかりでかわいくない」と感じるときょうだい差別に拍車がかかり、さらに子どもは、「弟(妹)ばかりずるい」と不満をつのらせていくことになります。
【中間子や末っ子が抱えやすい不満】 中間子は、きょうだいの中で自分がいちばん親から放っておかれているのではないかと不満に感じることが多いようです。いちばん上の子は第一子なのでひとりっ子時代を経験しますし、いちばん下の子は手がかかる分、目がいくようになります。中間子は、生まれたときから兄姉がおり、自分がいちばん下という時期が短いことも多いため、その立場を自由で楽と感じることもある一方で、寂しさも覚えがちです。 また、中間子はタイミングによって上の子扱いされたり、下の子扱いされたりするものです。都合よく扱われることに、不満がたまっていくこともあるようです。 末っ子は、親からもきょうだいからも甘やかされてかわいがられるもの。愛情を感じやすい立場ではあるものの「いつまでも子ども扱いしないでほしい」という不満もあるでしょう。また、洋服や持ち物などきょうだいのお古が回ってきやすいことから、「自分だけ新しいものを買ってもらえず損をしている」「上のきょうだいのほうが大切なのでは?」と感じることもあるようです。