ニッポン放送の役員面接に大遅刻…26歳で所属事務所倒産も「逆にチャンス」
SNSではコスプレ姿も
――就活はどうなったのでしょうか。 アナウンサー試験だけで他の就職活動はしませんでした。それ以降は、もう舞台や演劇の道に進むことに決めました。卒業と同時に芸能事務所に所属して、舞台の仕事を始めたんです。 ――舞台の仕事はすぐにあったのでしょうか。 正直、すぐには仕事がなかったです。卒業後、1年間くらいはアルバイトをしていました。食べ放題の飲食店で「〇〇ができました」と言って、料理を出す仕事です。ただ、舞台がある時は舞台に出ていましたし、テレビの時代劇で運良くデビューすることはできたんです。ただ、私が26歳の時に、事務所が潰れてしまったんです。 ――その時は、どういう心境だったのでしょうか。 所属の俳優らみんなが集められて、「うちの事務所潰れます」という風に言われて、みんな結構青ざめていました。でも、私は逆に「これはチャンスだ」と思ったんです。それまで、事務所からは「女優としてどうなりたいの?」「誰みたいになりたいの?」とよく聞かれていました。 私はとにかく歴史が好きで、江戸が好きで、それを表現したい。そのためなら、女優もやりたいし、タレントもやりたいし、本も書きたかったんです。しかし、当時の事務所からは全く理解されなかった。でも、これで管理する人がいなくなり、色んなことが自由にできるなと思いました。 ――それで本を書くチャンスが訪れたんですね。 そうなんです。事務所がなくなってから、自分でホームページを作って、ブログを書き始めました。すると、そのブログを出版社の方が見てくれて、「本を書きませんか?」と声をかけていただいたんです。それが、最初に本を書くきっかけになりました。 ――本を書いたことは大きな転機になったのでしょうか。 それまでは、舞台女優としての仕事が主だったんですが、本を書いたことでタレントとしての活動が広がり、いろいろなテレビ番組やイベントに呼んでいただけるようになりました。 ――普段から毎日、歴史を勉強している感じなのでしょうか。リラックスタイムはありますか。 勉強というよりも、むしろ好きでやっていることなので、気づけば歴史の資料を読んだり書いたりしています。あとは、歴史と同じぐらいアニメや漫画が好きなので、アニメや漫画を見てリラックスしています。先日も、友達と一緒に「僕のヒーローアカデミア」の映画を見て、その後に感想戦をして大いに盛り上がりました。 ――SNSではコスプレ姿も披露されています。 はい、コスプレも楽しんでいます。最近は「ワンピース」のウタちゃんのコスプレをして、SNSに「私は最強」を歌ってみたの動画をあげたら、ファンの方に「可愛いね」と言ってもらえて、すごく嬉しかったです。 ――逆に、しんどかったことはありますか? 着物で活動することが多いんですが、最近の気候変動には着物が合っていなくて、夏は本当に大変です。何度も熱中症になりかけました。5年ぐらい前から、夏の暑さが異常で、仕事の合間にトイレで倒れ込んでしまったこともありました。それ以来、塩のタブレットを帯と着物の間に忍ばせて、体調が悪くなりかけた時にパッと食べて、塩分を補給するようにしています。脇の下に冷えピタを貼ったりもしますね。 第4回では、小学4年生の時に「沖田総司」に恋をした話や、結婚したいという「田沼意次」について語る。 堀口茉純 1983年、東京都足立区生まれ。2008年、江戸文化歴史検定一級を25歳で取得。女優、タレント、YouTuberなど幅広く活躍する。 デイリー新潮編集部
新潮社