敵地マツダで7戦7勝 球児監督がシーズン開幕戦を託すのは鯉キラーの左腕、大竹耕太郎か 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
■大谷との再戦に意欲
ポイントは新生タイガースの初陣を飾る投手は誰なのか。普通に考えれば昨季13勝3敗、一人で貯金を10もつくった才木でしょう。昨オフ、侍ジャパンの一員として臨んだプレミア12でもエース格で投げました。若きエースとして、藤川阪神の最初の試合のマウンドに立つ-。これがオーソドックスな考えです。
才木はオフの契約更改で7千万円増の年俸1億2千万円(推定)でサイン。この際、球団に将来的なメジャー挑戦の希望を伝えました。「30歳になるまでには…」とポスティングシステムを利用しての移籍を希望したようですね。向上心旺盛な若者の夢。メジャー挑戦への通過点として、自身初のシーズン開幕投手の座が用意されても、何ら不思議ではありません。
しかし、才木の3月28日・広島戦(マツダ)先発登板には調整上の問題が生じる可能性があります。なぜなら、才木は同16日のドジャースとのエキシビションマッチで先発する可能性があるからですね。才木はドジャース・大谷翔平選手とのリベンジマッチに意欲を示しているのです。
23年3月6日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表との強化試合(東京ドーム)で先発した才木は大谷と2打席対戦して、1打席目は三振を奪うも、2打席目は3ランを被弾。決め球のフォークボールに対し、左ひざを地面に着けながらバックスクリーンに運ばれる豪快な一発を浴びました。もう一度、大谷と対決して今度こそねじ伏せるという意欲。藤川監督も才木のドジャース戦登板を頭の中に入れているといわれていますね。
■村上は広島戦2勝5敗
仮に才木が3月16日に登板するならば、開幕戦まで中11日。もう一度、どこかで投げるとしても登板間隔は変則となります。普通に考えれば、もう一度、中6日で投げて、さらに中6日となる3月30日の広島との開幕カード第3戦(マツダ)に投げるというのが調整的には順当ですね。
仮に才木が開幕投手でないのであれば、では誰が? そこで浮上するのは村上頌樹投手(26)か大竹です。ここで比較材料となるのが広島との相性と敵地マツダスタジアムでの成績です。村上は昨季、対広島戦は8試合登板で2勝5敗。マツダでは1勝2敗です。一方の大竹は対広島戦は6試合登板で3勝1敗、マツダでは3勝無敗。なんと阪神移籍後、マツダでは2シーズンで7戦7勝なのです。