「歌うことは人生最大の恐怖だった」 怖さを乗り越え自己肯定力を手にした星野源の決断
「生きているといろいろなルールに合わせなきゃいけないし、いろいろなものを背負うことになる。僕は小学生の頃から、いろいろな人間関係やルールに疲れ果ててきた。でも音楽や俳優の仕事をやっていると、時が経つのを忘れるし、自分のエゴがなくなっていく感覚になるんですよね。自我や世の中から解放されて、自分と他人の境界線がなくなっていく。そうやって自由を感じる瞬間がすごく好きなんです」 「その瞬間のおかげで、僕は生きていけるんだなと思います。好きなものがあって、好きなことができる嬉しさや楽しさは、自分にとって大事なもの。でもそれを邪魔してくる人たちがいるんですよね。邪魔する人たちは、これからは音でぶっ飛ばしていきたい(笑)」 よりよい音楽のためにも、世の中はよりよくあるべきだと彼は考えている。 「不幸で不満を抱えた人のほうがいい音楽を作れるという考え方の人もいるけど、どんなに幸せになっても、どんなに満足な環境になっても、刺激的な音楽を作れるのが本物だと思う。だから世の中はよくなればなるほどいいんです。そうなるために、自分ができる範囲のことはしていきたいですよね」