「ネットの意見を見る暇があったら本を読みたい」 コロナ禍でも未婚でも焦らない、島崎和歌子の自信
1989年に『弱っちゃうんだ』でアイドル歌手としてデビューして以来、明るく親しみやすいキャラクターで活躍してきた島崎和歌子、48歳。バラエティー番組では率直な本音をぶちまけて、豪快な笑い声を響かせる。30年にわたって『オールスター感謝祭』の総合司会を務めてきた彼女が今も求められる理由は何なのか。コロナ禍での変化、ネットや結婚に対する考えについて話を聞くと、決して焦らない彼女の自信が垣間見えた。(取材・文:ラリー遠田/撮影:伊藤圭/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
18歳で手にした司会業 怖いもの知らずだった
「歌手を引退したつもりは全くないんですけどね。今では若い子とカラオケに行くと『歌、うまいんですね』とか言われますよ(笑)」 1987年にロッテのCMのオーディションを受けたことがきっかけで芸能界入り。アイドル歌手に憧れていたが、その頃には歌番組はどんどん終わっていて、アイドルがテレビで歌を披露できる機会は少なくなっていた。 そんな中で、森口博子、山瀬まみ、井森美幸といった先輩アイドルたちはバラエティー番組の世界に足を踏み入れて、「バラドル(バラエティーアイドル)」と呼ばれるようになっていた。島崎もそこに続いた。 「先輩たちががんばってそういう道を作ってくれたからラッキーでした。歌がヒットしなくてもテレビに出られるようになったのは大きかったです。今でも仲良くさせてもらっていて『先輩はヒット曲ないですもんね』『あんたに言われたくないよ』とか言い合ってます。ずっとやっていればいつかまた歌えるときがあるんじゃないかと思っていたら、『いつか、いつか』で30年経っちゃった(笑)」
テレビに出るときにも一切気負うことはなく、自分が思っていることを素直に口にしていった。アイドル離れした物おじしない態度と豪快な笑い声で人気を呼んだ。その頃、18歳の彼女に思わぬ大役が回ってきた。現在まで続くTBS系の大型特番『オールスター感謝祭』の総合司会である。 「当時は怖いもの知らずで何も考えてなかったですね。生放送だと時間通りに終わるからいいな、って思っていたくらい。30近くになってから急にプレッシャーを感じるようになりました。今でも放送日が近づくと夢見が悪いですよ。段取り通りいかないとか、機械が壊れるとか、失敗する夢ばっかり」 番組は今年で30周年、60回目を迎える。島崎は長時間の生放送で進行役を務めてきた。わがままで個性の強い芸能人たちを何とかまとめ上げようと、厳しい口調で注意喚起をする。それも責任感の強さの表れだ。 「あの機械のうちの1台に水がかかったら全部アウトなんですって。そんなの恐ろしいじゃない? だから『飲み物は持ち込まないでください』ってきつく言ってるんです。あれでだいぶ貫禄ついたと思いますよ(笑)」 もう一人の司会者である今田耕司は最近、『新しいカギ』(フジテレビ)に出演した際に「(『オールスター感謝祭』では)島崎和歌子が司会で俺はアシスタント」「島崎が80ぐらいになってもずっとやってるのが一番面白いと思う」と発言して、彼女の仕事ぶりをたたえた。 「本当にありがたいですね。私は芸人じゃないし事務所も違うのに、なかなか言ってもらえないですよね。そういう信頼できる先輩とめぐり合えたのは私の財産ですね」