アウディQ6 E-トロン 詳細データテスト 新プラットフォームの高い実力 質感と操作性は1歩後退
テストコース ★★★★★★★★☆☆
Q6 E-トロンのハンドリングの冴えは、ドライとウェット、どちらのテストコースでも実証された。すべりやすいコンディションでは、リア寄りの駆動力配分がよりはっきりと前面に出る。アジャスト性も、パワーオンで安定したアンダーステアをうまくキャンセルするのに十分だ。 ドライサーキットでは、電動SUVのいるべき場所とは思えないかもしれないが、生き生きと走るようになり、進んで進行方向を変えようとし、コーナーへブレーキを残しつつ進入し、多少のカウンターステアを切りながらパワーをかけて脱出する。 数ラップ後のタイヤの見た目は、これがおそらく走行会をハードに走るには向いていないことを示唆している。このクルマの隠れた才能は、開発の狙いではなく、基本的なバランスがいいプラットフォームの副産物であるようだ。そのアドバンテージを生かそうというオーナーは多くないだろう。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
英国での販売の主流になるであろうコイルスプリング仕様は、今のところまだ試乗する機会が巡ってきていないが、少なくともエアサスペンション仕様の静粛性には満足できる。テスト車は21インチホイール装着車だったが、路面の穴や荒れた舗装をみごとにいなしてくれる。欧州本土での初試乗では、粗い路面でも魔法のじゅうたんのような乗り心地と絶賛した。英国で乗ると、もう少し評価を見直す必要を感じる。 アウディのエアサスペンションは、このクルマであろうがA8であろうが、メルセデスに比べるとやや余計に路面状況を伝えてくる。インゴルシュタットのエンジニアたちは、ドライバーと路面状況とを完全に遮断したいとは思わなかったということだ。それはいいことで、波長の長い入力も、そのほとんどをうまく処理する。 典型的な英国のカントリーロードは、しばしば道の真ん中より外寄りのほうがバンピーさがきつく、乗員は右左交互に頭が上下に跳ねてしまうこともある。とはいえ、全体的にはかなりスムースな乗り心地だ。