新NISAに続き、iDeCoもブームに?岸田前首相らの提言で拠出枠の拡大目指すも若者やシニアは要注意
■ 50歳以降に加入すると受け取り開始年齢が後ろ倒しに 従来だと50代でのiDeCo加入は「遅きに失した」感があったが、この引き上げが実現すれば、50歳で加入しても20年近く積み立てが可能になる。 しかし、先のFPはシニア世代の加入も要注意だという。「50歳以降に加入すると、加入時の年齢に応じて受け取り開始の年齢が後ろ倒しされていく。加えて、受け取る都度に手数料がかかり、残高があるうちは口座管理手数料も徴収される」 iDeCoの受け取り時には一括受け取りなら退職所得控除、年金受け取りなら公的年金等控除が適用できるが、控除の上限を超えていたら当然ながらその分は課税対象となる。 退職所得控除は現行制度では勤続20年以下が「勤続年数×40万円」、勤続20年超が「勤続年数×70万円」だが、今回の税制改正では勤続年数の長い人を優遇しない見直しが議論されており、今後の受け取りに影響が出るかもしれない。公的年金等控除も、基礎年金や厚生年金、DC、DBと合算した金額で判断されるので注意が必要だ。 改革案が令和7年度税制改正大綱に盛り込まれ、国会での審議を経て来春法案が成立すれば、新iDeCoが数年以内にスタートとなる公算が大きい。 幅広い世代の「資産形成」を目的としたNISAと違い、「上乗せ年金」のiDeCoは制度自体が複雑となり、規制も多い。「節税効果」だけでなく、自分にとってのメリットとデメリットを見極めた上で加入を検討してほしい。 ※実際の投資や売買に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。
森田 聡子