○力が弱い、○○が遅い人は、将来の要介護予備軍!?【40歳から始める! 健康寿命を延ばす「手力・足力」!①】
歩く速度が遅い人は、足指や足裏の筋肉が弱っている!?
「サルコペニアチェックでもわかるように、体の筋肉量の低下は握力や歩く速度などに表れてきます。 握力と体全体の筋力はよく相関しているので、握力の低下は体全体の筋力の低下と言ってもいいでしょう。未開栓のペットボトルのふたを開けられない人は、全身の筋力も低下していると考えられます。 また、歩く速度が遅い人は、足部や下肢の筋力とその協調性(バランス)が低下している可能性があります。 歩くために必要な筋肉というと、太ももやふくらはぎなど大きな筋肉を思い浮かべますが、それだけでなく、足部の筋肉も使っています。また、筋肉にある感覚センサーなども総動員して巧みに使っています。 歩く速度が遅い人は、大きな筋肉を鍛えるだけでなく、足部の筋肉や感覚センサーを鍛える必要があります。また関節、特に足部の柔軟性も大切です。こうした下肢を構成するさまざまな部品が機能低下すると、それを制御する脳神経との連携も弱まり、さらに機能低下が加速する能性があります。 この連載では、こうした手や足裏、足指といった、体の末端に注目して、生活機能を高める方法を紹介していきます」
【教えてくれたのは】 大渕修一さん 理学療法士。東京都健康長寿医療センター 研究所・福祉と生活ケア研究チーム研究部長。国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院卒業後、米国ジョージア州立大学大学院にて理学修士号、北里大学医学部大学院にて医学博士号を取得。北里大学医療衛生学部助教授などを経て現職。専門は理学療法学、老年学、リハビリテーション医学。著書に『70歳からの筋トレ&ストレッチ』(法研)など多数。 イラスト/green K 取材・原文/山村浩子