これからの不動産の価値を測る“納得”の「物差し」 単純な損得勘定では測れない! 新しい指標に注目
つまり良好な自治体経営は、首長や議員に投票する住民のリテラシーにかかっているわけですね。 ■下落する災害地域 「災害対応力」も重要です。 わが国ではこれまで多くの地震や水害に見舞われてきましたが、実は2019年の台風15号、19号を受け、損保大手各社が火災保険料の見直しをしています。要は「水害可能性のある地域は火災保険料が割高になる」というわけです。 ただし見直しといっても保険料が当初より最大1.2倍程度上がるといったレベルで、額にして数万~10万円程度であることから、これで不動産の資産価格に差がつくというような、大きなインパクトはありません。
しかしこのような格差を、住宅ローンを提供する金融機関が始めたらどうなるでしょうか。 たとえば、これまでは5000万円の物件Aと物件Bどちらも担保評価の掛け目を100パーセントとしていたところ、水害可能性の低い物件Aはそのまま、水害可能性の高い物件Bは金融機関としてもリスクがあるため担保評価を70パーセントの3500万円としたら、とたんに物件Bの資産価格は大きく下落するはずです。 これは住宅を購入する人のほとんどが住宅ローンを利用するためですが、担保評価の低い物件Bを買うには物件価格の30パーセント、つまり1500万円の頭金を用意しなければなりません。こうなると購入できる人はかなり限られてきます。
したがって需要が大きく減退し、物件Bの価格はかなり下げないと売れないということになるでしょう。おそらく3000万円台くらいにしないと売れないのではないでしょうか。かたや5000万円、かたや3000万円と、今後は水害可能性の有無で大きな資産格差がつく可能性があるのです。 ■住まい探しは「金銭的に買える街」が主流だったが また「建物の省エネ性能」も重要なポイントです。断熱性の高い住宅であれば長持ちし、長期的に資産として活用できるからです。