これからの不動産の価値を測る“納得”の「物差し」 単純な損得勘定では測れない! 新しい指標に注目
多くの自治体が、財政についてオンラインで公開しています。過去10年くらいの歳出と歳入の推移やその内訳について眺めてみると傾向がわかります。 税収は増加傾向なのか、減少傾向なのか、歳出は増えているか減っているか、出入りのバランスはどう変化しているのかなど、お住まいの自治体の財政について調べてみてください。数字にそれほど強くない人でも、慣れればそんなに難しくないでしょう。 千葉県流山市では、2003年時点の歳入が400億円程度だったところ、2023年時点で800億円超と、なんと倍増させています。
増加の大きな要因は「市民税」「固定資産税」です。流山市はいち早く子育て政策を打ち出し、「母になるなら、流山市。」というキャッチコピーとともに高いPR力で評判を高め、働き盛りの市民を増やすことで税収を上げる努力を長年続けてきたからです。 目標は流山市をつくばエクスプレス(TX)沿線でいちばん早く、いちばん高く売れる街にすること。流山市では他にも「行財政改革」「市民自治」「街づくり」「オープンデータ」などの分野で成果を上げています。
ネット上には流山市の取り組みが数多く紹介されていますので、ご興味がある方はご覧ください。 こうした一連の大改革ができたのは、2003年に井崎義治現市長が就任してからです。井崎市長はアメリカで都市計画や地域計画に携わってきた専門家であり、だからこそ「自治体は経営である」ということをよくご存じであったのだと思います。 それで就任時から「流山市をTX沿線でいちばん早く、いちばん高く売れる街にすること」といった課題に取り組んでこられたのです。
多くの自治体でドラスティックな改革ができないのは、たいていリーダーである首長が「そもそも問題意識が低い」か、「やりたくてもできない」のどちらか。前者は論外ですが、本気で都市計画・自治体経営に取り組んでいる首長は残念ながら多くありません。 また「街を縮める」となれば、結果としてどこかの地域を切り捨てることになります。そうなると選挙に弱い首長は及び腰になり何もできないということに。選挙に強い首長であることが、改革ができる絶対条件です。