福住仁嶺選手(No.14 ENEOS X PRIME GR Supra)「あんなに喜べない表彰台はない」 | SUPER GT 2024 第3戦 鈴鹿【SUPERGT あの瞬間】
「あのとき、何があったの?」__ レースウィークの出来事、ドライバーに話してもらいたいと思いませんか? タフなレースを終えたドライバーに改めて話を聞く「SUPER GT あの瞬間」。2024年シーズンもレースの舞台裏に着目し、ドライバーの気持ちをコラムでお伝えします! 福住仁嶺選手(No.14 ENEOS X PRIME GR Supra)「あんなに喜べない表彰台はない」 | SUPER GT 2024 第3戦 鈴鹿
今年、トヨタ陣営へと電撃移籍した福住仁嶺選手。開幕から2戦は不運なハプニングが続くも、鈴鹿ではQ2で自身トップタイムをマーク! 即戦力をアピールし、シーズンベストとなる予選3位獲得に貢献した。だが、決勝レース終盤、手の届くところにあったシーズン初勝利がこぼれ落ちる“あの瞬間”に遭遇。今でも目を瞑るとそのシーンが浮かぶと言う。悔しさをバネにシーズン中盤戦以降、さらに躍進を目指す福住選手に話を訊く。
── 鈴鹿では予選3位スタート、決勝は2位。ひとつポジションは上がりましたが、レース内容を振り返ると複雑な思いがあるのではないでしょうか。どんな表彰台になりましたか?
福住仁嶺(以下、福住):とにかく悔しい……ですね。表彰台でまぁまぁ悔しいときは今まであったかもしれないですが、こういう風にドライブスルーペナルティを喰らってしまっても表彰台に乗ったことはあんまりなかったんです。今回、僕たちはもともと調子が良かったですし、普通に行けば優勝できるポテンシャルがあるなかでのドライブスルー(ペナルティ)だったので、なんとか2位までは巻き返すことはできたんですけど、とにかくもう悔しいというか、あんなに喜べない表彰台はないなっていうくらい、精神的に本当にきつかったです。こんなにもやり直したいって思ったことがないぐらい、いろいろと考えさせられるレースでした。
── 今回、シーズン初めてQ2を担当。その理由は?
福住:特別、理由はないです。どちら(のドライバー)がどっち(の予選)に行こうが、そんなにパフォーマンスに差はないと思います。ただ、開幕戦と第2戦の流れが良くなかったですし、何か流れを変えるきっかけにしたいなっていうのも含め、今回は大嶋(和也)さんがQ1、僕はQ2になりました。やっぱり違った緊張感もすごいありました。(公式練習のGT500クラス)専有走行では、大嶋さんにニュータイヤで走っていただき、いつもと流れが違ったのでやっぱり感覚が変わっちゃう部分もあったと思うんですが、そのなかでもQ1をしっかりとまとめていただきました。Q2では、そこからのフィードバックとチーフエンジニアの阿部(和也)さんのおかげで……でも、やっぱりプレッシャーはかなりありましたね。緊張感みたいなのはそんなになかったんですけど、ユーズドタイヤで予選という感覚が初めてだったんで、どれぐらい(タイヤの)グリップが落ちているんだろうとか、どういう手応えのなかで走れるのかなっていう不安感みたいなものがあったんです。