【小・少・軽・短・美】 スズキの行動理念 製造からリサイクルまで10年先を見据えた技術戦略を発表
スズキの行動理念「小・少・軽・短・美」
スズキは製造からリサイクルまで「エネルギーを極少化させる技術」を実現し、世界中の人々に移動する喜びを提供しつつ、カーボンニュートラルな世界を目指す。7月17日、その技術戦略の説明会がメディアに向けて行われた。 【写真】スズキ「10年先を見据えた」技術戦略の説明会の様子と最新スズキのクルマをみる (111枚) スズキは「小・少・軽・短・美」を行動理念のひとつとしている。 これは技術戦略においても当てはまるもので、つまり排出するCO2が少なければ取り返す量も少なくて済むということ。使うエネルギーを極小化すれば、出すCO2を極限まで小さくできる。 「小・少・軽・短・美」によるエネルギーの極小化は、電池や燃料、クルマ、そしてリサイクルの負担も小さくでき、コストや資源リスクも少なくすることが可能だ。 では、そんなスズキのエネルギー極小化に向けた技術戦略の5本柱を紹介していこう。
1. 軽くて安全な車体
スズキが得意とする小さく軽いクルマは、走行時のCO2排出量が少ないだけではなく、製造に必要な資源や製造で排出するCO2も少なくでき、省資源やCO2削減に貢献してきた。 そこで、安全で軽量な車体「HEARTECT(ハーテクト)」をさらに進化させ、軽量化技術によるエネルギーの極少化に取り組んでいく。 例えば、軽自動車のアルトは初代から7代目まで進化する間に車両重量が約200kg増加した。 そこで8代目は120kgの軽量化に成功。現行型の9代目では安全装備などの関係で60kg増加したが、次期型の10代目では安全性能を向上しながら100kgの軽量化を目指し、エネルギーの極小化に取り組んでいく。
2. バッテリーリーンなBEV/HEV
スズキは国や地域の再生可能エネルギー化の状況、ユーザーの使用状況に合わせ、最もエネルギー効率が良い選択となる「適所適材な電動車をお客様にお届けする」ことを目指し、小さく効率が良い電動ユニット、小さく軽い電池など「小・少・軽・短・美」を体現し、エネルギーを極少化した電動車を開発していく。 HEV(ハイブリッド車)では、現在ヨーロッパ仕様で採用している48Vマイルドハイブリッドを進化させ、10kW程度のモーターを採用したバッテリーリーンな「48Vスーパーエネチャージ」を開発中だ。 また、BEV(バッテリー電気自動車)用に、小さく軽く高効率なEアクスル、少ないエネルギーで走れる軽いプラットフォーム、そして生活にあった合理的な走行距離を確保する小さな電池パックなどを開発している。