【箱根駅伝】最多14回の優勝を誇る中央大学は"二枚看板"が強力 藤原正和監督が2区出走を明言した溜池一太「エースは自分」
10月の箱根駅伝予選会を6位で通過し、約2週間後の全日本大学駅伝は12位。箱根駅伝で最多14回の総合優勝を誇る中央大学は今季、苦しいレースが続いている。ただ、選手のポテンシャルは高く、選手層も厚い。来たる本戦での目標は7位だが、上位進出も見据えている。 【写真】27分台ランナーの仲間入りを果たした本間颯と1年生ながら活躍が期待される岡田開成
4年生を中心に取り組んだ「脱スマート」
「予選会か全日本のどちらかに専念する選手と、両方を走る選手とに分けたのですが、予選会は久方ぶりとあって〝置きにいく〟走りをしてしまい、全日本ではここに照準を合わせていた選手が機能しませんでした」 藤原正和監督は力を発揮できなかった2大会をこう振り返る。ただ、溜池一太(3年、洛南)と吉居駿恭(3年、仙台育英)のダブルエースを筆頭に個々のレベルは高い。選手層も厚く、藤原監督は「駅伝チームを二つ作れる」と自負している。 ではなぜ、不本意な結果に終わってしまったのだろうか。 「もちろん、マネジメントの問題もあったと思いますが、粘り強さ、泥臭さが足りなかった。気持ちの面ですね。何事もスマートにやるのは中大の伝統でもありますが、それが悪い方に出てしまいました」 そこで藤原監督は、この部分の立て直しを4年生に求めた。もっと気持ちを前面に出す集団にならないと、箱根でも勝負できない、と。これを受け4年生たちは、佐野拓実主将(洛南)を中心に、改善に向けた話し合いを行った。 「なぜこうなったか、4年生全員で本音をぶつけ合いました。その上で、勝利への執念をどうすれば出せるのか、意見を出し合い、走る前のトレーニングをより真剣に行って、ジョグの時間を数分でも増やすことから始めよう、ということになりました」 4年生が打ち出した意識改革がチーム内に浸透するまで、さほど時間はかからなかった。「脱スマート」を証明したのが、全日本の約3週間後に行われたMARCH対抗戦だ。全日本で7区14位に沈んだ吉居は、10000mで27分44秒48の中大記録を打ち立てた。本間颯(2年、埼玉栄)も27分46秒60で28分切り。阿部陽樹(4年、西京)ら他の選手も、気持ちが伝わってくる走りを見せ、チームは総合優勝。浮上への足掛かりをつかんだ。