絶えゆく灯を守れ - 島原唯一の「和ろうそく」製造所の3代目職人の伝統産業の存続をかけた新たな挑戦
伝統産業の存続をかけた新たな挑戦
一方で高価で需要が少なく化学物質の安い蝋で作った和ろうそくに顧客を奪われるなど販売は伸び悩んでいる。廃業に追い込まれる事業者もある中、本多工業所ではろうそくだけにとらわれない伝統の継承の方法も模索している。 10年ほど前から、修学旅行生や観光客向けにろうそくづくり体験や絵付け体験を提供。さらに、富裕層向け旅行をプランニングする国内外の旅行会社とも連携し、和ろうそくの魅力を広めている。
伝統と革新の融合
自然由来の和ろうそくの原料に注目して2024年10月には新製品も開発した。工業所と長崎市の化粧品会社が協同で開発した「はくろうハンドクリーム」だ。(1980円) 和ろうそくが売れない時代に、何か売れるものが作りたいと本多さんの息子たちが開発したという。 本多さんは「地方の伝統産業は利益がない。相撲や歌舞伎は国がバックアップするからずっと残る。地方の伝統産業は利益がなくなれば消えてしまう。昔のものを守っていかなければいけないけど、新しいものに挑戦することも必要、利益を少しでも残していけば文化・伝統が残っていく。工夫が大切。」と、伝統と革新のバランスの重要性を強調する。 和ろうそくの伝統を残そうと異業種への挑戦を始めた本多木蝋工業所の挑戦ははじまったばかりだ。 (テレビ長崎)
テレビ長崎