格安「釣りギア」の無残な結果 つい手が出る “ノーブランド品” の使用感&顛末とは? 4選レポート
■2. ノーブランド4,000円のショアジギングロッド
筆者がルアー釣りを始めた15年ほど前に青物を狙うために購入したロッドの価格は、なんと4,000円。60gのルアーを投げることができるとのことで、確かにロッド自体には強さがあり、実際に中型の青物を数匹釣りあげることができた。だが残念なことにオフシーズンの冬にはガイド(糸が通るリング状のパーツ)が腐食していた。触ったらポキッと簡単に折れてしまったのだ。 使用感はまずまず。ロッド購入当時は釣りを始めて間もなかったため、使いやすいのかどうかの判断はつかなかった。ただ竿は重く、とてもバキバキした感じの硬いロッドだと感じていた。思い返せば、価格相応といった印象だったが、大型の魚にも力負けはしなかった。 それでも釣りを好きになるきっかけにはなった。竿そのものの価格が4,000円ということもあり、費用の方が高くなるので修理は諦めたが、ルアー釣りを始めた1年目で魚を釣ることができ、このロッドをきっかけに海釣りにハマったのも事実、いい思い出になっている。結局次の年に2万円程度のロッドを買い直した。
■3. 20g超の「飛距離抜群」を謳うフローティングミノー
「飛距離抜群」を謳うフローティングミノーは、以前にサーフ(砂浜の釣り)で使えないかと試しに購入したものだ。メーカー品のシーバス用フローティングミノーなら、1本2,000円前後が相場だ。それが5本セットで2,000円程度だった。1本あたり400円の格安ミノーだ。 実際には風に煽られ飛ばず、泳ぎが悪かった。メーカー品のルアーは内部のウェイトを移動させて飛行姿勢と泳ぎを安定させる「重心移動システム」が搭載されており、多少風が吹いていても飛距離が稼げて、波っ気のある状況でもしっかり泳ぐように設計されている。 個人差はあるが、少なくともメーカー品なら50m以上は飛ばすことが出来るだろう。ところが飛距離抜群を謳う激安ルアーは、風の有無に関係なく回転し、30m飛ぶかどうかというところ。 それどころか、水中では泳ぐというより暴れるような動き。むしろそれがいいアクションになって魚を誘うのかもしれないとポジティブに捉えしばらく使ってみたが……。結局フックも錆びたまま部屋のインテリアになってしまった。 ●初心者の練習用に活用の余地あり 筆者の妻もたまに釣りに同行するのだが「フローティングミノーは飛ばないから嫌い」とよく言っているので、この思ったより飛ばないミノーでキャスト練習をしてもらっていた。1匹も魚は釣れなかったが、メーカー品のルアーに付け替えた途端にしっかり飛ばせるようになっていた。飛ばないルアーがキャスト練習の役に立ったようなのだ。