楽天Gの高利回りドル債、三木谷氏を待ち受ける課題暗示
楽天Gは米国の利下げを前に利回りが高い社債への需要が高まる環境を生かすことで、償還の壁を崩すことができた。先週の20億ドルの起債は、同社に負債を管理するための最善の方法を決める余裕を与えるだろう。
楽天Gは4日の発表資料で、財務健全性の強化に取り組んでいると説明。有利子負債残高の削減と、社債償還スケジュールのコントロールによるバランスシートの管理に注力していると述べた。
JPモルガン・チェースのアナリストが3月に公表したリカバリーバリュー・チャートによると、楽天Gのさまざまな事業の価値はシニア債務の1.87倍に相当する。
大和証券が今週明らかにしたところによると、楽天Gは12月に償還期限を迎える社債の一部を買い入れる予定だ。ブルームバーグのデータでは、この社債の発行残高は750億円。
楽天Gはまた、最大1000億円の社債型種類株式の発行枠を登録している。日本で複数の企業が模索している比較的新たな資金調達形態だ。
海外投資家にとって日本のハイテク企業の顔と言えばソフトバンクグループの孫正義社長だが、国内では多岐にわたる事業を展開する楽天Gを設立した三木谷氏の知名度は高い。最近のつまずきが響き、ブルームバーグ・ビリオネア指数によると21年3月以降、同氏の個人資産は30億ドルに64%減っている。
三木谷氏の資産の大部分は楽天Gからもたらされたものだ。楽天Gは米国と英国ではストリーミングサービスやEコマース、後払い決済の「バイ・ナウ・ペイ・レイター(BNPL)」の提供で知られている。
楽天Gの大株主25人のうち1人は、23年に銀行子会社株の一部を売却して資金を補強した同社にとって、通信インフラ事業である楽天シンフォニーの売却も選択肢の一つになり得ると語る。
楽天Gの広報担当者は11日、「資本などの受け入れの検討も視野に入れながら、革新的なモバイルネットワークソリューションのグローバル展開を一層加速化していく」とした。