保護施設から譲渡センターへ 警戒心強めの保護犬と接し方3箇条を厳守したスタッフ また心を開いてくれてありがとう
行き場を失い動物愛護センターに収容されるワンコのうち、元野犬は人間と暮らした経験がないことから強い警戒心を抱くワンコが多いものです。 【写真】保護当初のコネリー。こちらを警戒していました 2022年の春先に広島県福山市動物愛護センターに収容された推定生後2カ月ほどの元野犬のオスの子犬・コネリーも元野犬特有の警戒心が強いワンコで、人間と目を合わさず人間が近寄れば唸ったり、ときに歯を剥くことがありました。 コネリーを引き出すことにしたのが保護団体、ピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。多くの元野犬を保護し、幸せをつないできたスタッフですが、引き出し時にコネリーを抱き上げるとやはり控えめに噛みついてきました。
心を開いてくれたのに環境が変わって逆戻り
保護施設に連れ帰り、他のワンコたちと一緒にたっぷりの愛情を注ぎ、世話を続けた結果、コネリーはやがてスタッフに信頼を寄せてくれるようになりました。 保護当初の印象とはまるで違う、本来の明るく元気な性格も見せてくれるように。施設内で元気いっぱいで遊びまわり、そしていっぱい食べてくれるようになりました。 「これなら安心」とコネリーは保護施設から里親さんとのマッチングを目指す譲渡センターに移動しました。ところが、譲渡センターに来てからのコネリーは、また保護当初のような表情を浮かべ、犬舎の隅で固まり小さく唸るワンコに逆戻りしてしまいました。
「警戒心が強いワンコの接し方3箇条」
スタッフは「触れ合いたい」という気持ちを抑えて、「警戒心が強いワンコの接し方3箇条」を貫くことにしました。 ・必要以上に「見ない」 ・必要以上に「触らない」 ・必要以上に「声を掛けない」 まずは怖がるワンコに対し、新しい環境を観察してもらい認識してもらうことが最優先。その上で、少し心を開いてくれ始めても必要以上に触れ合うことは避け、多くても1回10分ずつから始めていくのが良いとスタッフは言います。 この3箇条を貫き、あえて構わないように接し続けた結果、コネリーはやがて心を開いてくれました。大好きなおやつもスタッフに催促するようにもなり、そして笑顔を見せてくれるようにもなりました。