【マイコプラズマ肺炎って?】8年ぶり感染拡大で『過去最多』...症状消えても感染力あり「歩く肺炎」とも 実は「うがい」はあまり予防効果なし!?
マイコプラズマ肺炎の患者数が急激に増えています。国立感染症研究所の発表によると、患者は去年の同じ時期に比べて41倍、今の集計方法になったここ25年で最多となりました。風邪やインフルエンザとの違いは?中には重症化する人も…治療や予防は?川崎医療福祉大学の尾内一信特任教授への取材などをもとにまとめました。 【グラフで見る】流行の波が一目瞭然…2010年代からの「マイコプラズマ肺炎」報告数
“コロナ禍の感染対策”で流行しなかった反動が今!?
今回、マイコプラズマ肺炎が流行するのは8年ぶりだそうです。マイコプラズマ肺炎の「1医療機関あたりの患者報告数」(国立感染症研究所より)を2010年代から遡って見ると、前回は2016年頃に大きく増加しました。そこから8年経った今、2016年を超えて過去最多に。 9月29日までの1週間の報告数は1医療機関あたり1.64人(全国平均)です。ちなみに大阪では2.17人、兵庫は2.57人、京都は2.71人で、関西でも感染拡大していることがわかります。 マイコプラズマ肺炎は、3~7年ぐらいの周期で流行すると言われています。最近は4年の周期で、2012年ロンドン五輪、2016年リオ五輪のタイミングで流行しているため、通称「オリンピック肺炎」とも言われているそうです。 2020年ごろにも波が来るはずでしたが、コロナ禍でマスク生活となったことで流行しませんでした。ただ、そのときにできるはずだった集団免疫ができなかったことで、その反動が今年に来たのではないかと推察されています。
症状はどんな特徴が?「歩く肺炎」と言われるワケは?
症状は発熱・けん怠感・頭痛・せきです。飛まつ・接触で、肺炎マイコプラズマ(細菌)に感染することで発症します。ただ、感染しても肺炎になるのは2~3割ほど。風邪に近い症状で自分の免疫によって治る人もいます。また、肺炎になった場合の症状の程度も個人差があるということです。 マイコプラズマ肺炎は、その特徴から「歩く肺炎」とも言われています。川崎医療福祉大学の尾内一信特任教授によりますと、より正確には「歩ける肺炎」だということです。 どういうことかと言うと、まず「出歩くことができる」ほど軽症の場合も多いです。感染から発症までの潜伏期間も2~3週間と長い。さらに、症状が消えた後も感染力があります。つまり、知らない間に感染を広げてしまいやすいのです。