中国・重慶で200万年前の化石と石器を発掘
【東方新報】中国の研究チームは、中国南西部の重慶市(Chongqing)巫山県(Wushan)の竜骨坡(Longgupo)遺跡から、118種の哺乳類の化石と2000点以上の石器を発掘した。この発掘プロジェクトは、1985年から2024年まで5段階に分けて行われたものだ。 「中国科学院古脊椎動物と古人類研究所」の研究員で「重慶竜骨坡巫山古人類研究所」の所長である黄万波(Huang Wanbo)教授は、今年の誕生日で満93歳を迎える著名な老研究者だ。 黄教授は「最新の古地磁気年代測定の結果、これらの化石と石器は200万年前から250万年前のもので、哺乳類化石の半分以上は『鮮新世』から『前期更新世』の属と種に属するものです。この遺跡は人類の進化研究に貴重な資料を提供し、100万年以上前に三峡地域に人類が存在していたことを証明するもので、学術的に非常に重要な遺跡であり、幅広い社会的影響があります」と解説する。 「巫山原人遺跡」としても知られるこの遺跡からは、ユーラシア大陸でこれまでに発見された中で最も古い人類の化石も出土している。この遺跡は96年に国家重点文化財保護リストに登録された。 80年代には、黄教授とそのチームが204万年前の古代人「巫山人」の下顎の骨を発見し、国内外の学術専門家から大きな注目を集めた。 竜骨坡遺跡は180万年前から248万年前までの古代人や古生物の化石、古環境情報が豊富に残されていると、世界の研究者から高く評価されている。三峡地域(長江本流にある三つの峡谷地域)の山や川の形成の歴史、古生態学、古環境の変化をたどることができる貴重な遺跡なのだ。 さらに、この遺跡は古代の東西文化の起源、進化、研究に関する信頼性の高い根拠を明らかにするためにも重要なのだという。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。