名古屋最古の商店街 リニア開通に向け様々な取り組み
名古屋駅と名古屋城の中間に位置し、今も下町の雰囲気が残る円頓寺(えんどうじ)商店街。今年3月にはアーケード設立から50年ぶりとなる改修工事が行われ、近年になってユニークなイベントや新店舗のオープンが相次ぐなど、名古屋の新たな注目スポットとして話題を集めている。意外と知られていないが円頓寺商店街は名古屋で最も古い歴史を持ち、そのはじまりは明治時代までさかのぼる。毎年この時期に商店街で行われる「円頓寺七夕まつり」が今年で60回目と還暦の年を迎えた今、円頓寺商店街の歴史を振り返り、これからの動きに迫ってみた。
堀川の荷揚げをした人たちが遊び、街ができ始めた
今からおよそ400年前、1610年~1615年(慶長15年~20年)、当時の政治的中心地であった清洲から名古屋へ城を移し、武家、町家、町名までもが総移転する「清洲越」が行われた。1724年(享保9年)、享保の大火により円頓寺が延焼し、その1年後に円頓寺が現在の地に再建された。 堀川の荷揚げをした人たちが遊び、街ができ始め、円頓寺・慶栄寺などの門前町として発展していった。それが円頓寺商店街のはじまりといわれている。 円頓寺界隈が商店街となり、名古屋西部一帯の中心的な繁華街となったのは1887年(明治20年)以降。名古屋駅南の笹島に鉄道駅が開業し、江川沿いに市電が走ると、堀川駅から名古屋駅へと向かう多くの人達が広範囲の地域から集まるようになった。 名古屋市内でも広小路、大須に継ぐ規模で、大正、昭和、戦前を通じ最大の繁華街として、夜遅くまで賑わった。
夏の名物・七夕まつり、秋にはパリ祭も
南の大須に北の円頓寺といわれるほど、繁華街の代名詞になっていた円頓寺商店街。その円頓寺商店街の恒例となって行なわれているイベントが「円頓寺七夕まつり」だ。 七夕まつりは今年でちょうど60回という節目の年。商店街のアーケードには、動物や様々なキャラクターのはりぼてが飾られ、七夕の飾りとともに商店街をにぎやかす。この名物のはりぼて目当てに訪れる人も多く、商店街の人などが竹で本体を作り、紙などで仕上げた手作り感が何とも印象的だ。 どのはりぼてもそれぞれ個性が光り、製作者の中にはまつりの前日まで徹夜して作ったという人もいるほどの力作ばかり。今年の七夕まつりは7月29日~8月2日の計5日間行なわれ、会場内には連日、子ども連れの親子や学生、お年寄りでにぎわっていた。 また、秋には円頓寺商店街がパリのパッサージュになる「第3回 円頓寺秋のパリ祭2015」の開催も決定している。商店街にパリの魔法がかかる祭りとして、円頓寺の秋の風物詩となりつつある。