仕事、家事、子育て…時間に追われる毎日に。やりたいことがどんどん叶う“じぶん時間”のつくり方、いま注目の「タイムコーディネート術」とは!?
妊娠中~産後しばらくは、とにかく「睡眠時間」を大切にしてほしい
――今回『じぶん時間割の作り方』の監修にあたり、この本を通してとくに読者に知ってほしいことはなんですか? 吉武 睡眠時間を大切にしてほしいということですね。睡眠時間はだれにも迷惑をかけず、自分で決められるために、この時間を削ってしまう人は本当に多いです。でも、睡眠時間を削っても、いいことは一つもないんです。 私も出産をするまでは、完全に夜型でしたが、現実的に出産後は体力がなくなります。授乳して、一緒に寝落ちして、朝起きたときの自己嫌悪感といったら……。「今日もやろうと思っていたことができなかった」と、毎朝落ち込み、しまいにはそれを「もっと早く寝てくれたら」と、子どものせいにしようとしている自分に心底がっかりしました。 それから時間の使い方を切り替えることにしたんです。寝落ちしなかったとしても、「どうせ疲れて頭は働かないから、いっそのこと早寝しよう」と。そして朝早くに起きて、やりたいことを1つだけでもやり、心地よく1日をスタートすることにしました。 とくに、これから出産を迎えられる妊婦さんには、何よりも睡眠を大切にしてほしいです。産後はとにかく体力勝負。寝られるときに、しっかりと睡眠を取っていただきたいです。 ――話は少し戻りますが、仕事をしている妊婦さんからの相談で多いものや、悩みがちなことはなんでしょうか? 吉武 多いのが「とにかくいつも眠い」というお悩みです。先ほどもお伝えしましたが、この時期は、自分一人の体とは思わず、寝られるときは寝てほしいです。この時期にしっかり体を休めることは、これから何十年後の自分の体調にもつながってきます。遠慮せずに睡眠をしっかりとってください。 もうひとつ、育休復帰前・再就職前だからこそ「今しかやれない!」と、やりたいことを詰め込まれる方もすごく多いです。詰め込んだ結果、どれも中途半端になってしまう、というご相談をよくお受けします。 「仕事をしていない=時間がある」というわけでは決してないのです。 妊娠中はおなかに子どもがいて、思うように体は動かせない時期ですし、子どもが生まれてからは、子どものことや家事もあります。想像以上に時間は限られていると思ってください。 無理せず、やりたいことを一つずつ取り入れていきましょう。そのうえで、もっと時間を生み出したいと思ったら、シッターさんや家事代行、家電を取り入れるなど検討していくといいと思います。 ――産後すぐ~3カ月くらいの100日は「いちばん大変な時期」と言われていますが、その時期のママたちへアドバイスをお願いします。 吉武 ホルモンバランスの影響で、精神的に不安定になりやすいのがこの時期です。初めての出産はもちろん、2人目以降も不安になることは少なくありません。 何度も言いますが、この時期は本当に無理をしないでほしいです。頼れるものは頼り、体を休めることに時間を使うことを意識してください。やりたいことがあるのはとても素晴らしいことですが、この時期は「やりたいことがやれたらラッキー!」くらいの感覚でいてください。 私自身の経験ですが、上の子は夜泣きがすごく、寝られない日々が続き、心が折れそうになったことがあります。そんな時にある本で「そんな時は星空を見てみてください。この空の下、あなたと同じように子どもを寝かしつけているお母さんはたくさんいます。一人じゃありませんよ!」というような内容を見たときに、本当に涙が出そうになりました。だからどうか、一人で抱え込まないでくださいね。