自民総裁選、最多9候補の論戦に火ぶた-横顔と主要政策・発言
サラリーマン家庭に生まれ、財務官僚になったが、12年の衆院選で野党だった自民党から出馬し、政界入りした。宇宙資源法など議員立法にも熱心に取り組み、岸田内閣で初代の経済安全保障担当相を務めた。
主要政策:
林芳正官房長官
12年以来、2回目の挑戦。解散した岸田派ではナンバー2の座長を務めていた。政策通として知られ、参院議員時代に農相、文部科学相などを歴任。21年から衆院に転身し、岸田政権では外相、官房長官として首相を支えた。税制にも精通し、党税制調査会の非公式幹部会(インナー)のメンバーを務めたことがある。
人にやさしい「仁」の政治を行うとしている。楽器をたしなみ、主要7カ国(G7)外相の前でピアノの弾き語りも披露した。選択的夫婦別姓制度の導入について「個人的にはあってもいい」と述べた。63歳。
主要政策:
茂木敏充幹事長
地元の公立高校から東京大学に進学した。米国留学、大手コンサルタント会社勤務などを経て1993年の衆院選で初当選。経済産業相、党政調会長、外相など要職を歴任した。日米貿易協定など通商交渉も担当し、「タフネゴシエーター(手ごわい交渉相手)」のイメージを売りにする。68歳。
岸田政権では幹事長を務めていたが、世論調査での支持は小泉、石破、高市各氏らに差をつけられている。今回の総裁選は次期衆院選や来年の参院選の顔を選ぶ側面もあり、知名度アップが課題となっている。出馬表明の記者会見で、増税ゼロの政策を推進し、自らが首相に就任した場合は「3年以内に結果が出なければトップが責任を取る」と語った。デフレ脱却宣言を必ず行いたいとの決意も示した。
主要政策:
加藤勝信元官房長官
元厚生労働相で官房長官の経験も持つ加藤氏は、旧大蔵省(現財務省)出身の68歳。厚生労働相、党総務会長、官房長官など要職を歴任した。新型コロナウイルス対策に関わり、G7の中でも感染症の被害を低水準に抑えることに貢献した。
10日の会見では、国民の所得倍増を最優先課題として取り組む方針を表明。実効性のある補正予算を編成し、早期の成立を目指す考えを示した。給食費・こども医療費・出産費負担ゼロの実現を目指すなどとした政権公約「ニッポン総活躍プラン」を発表した。茂木幹事長と同じ派閥に所属していた。同じ岡山県連所属の橋本岳衆院議員らが支援している。