農大一、久我山…東京「中高一貫」の人気校密集地帯、“城西・城南”に起こる波乱とは?【2025年共学校編5】
● “全面高”の「日本工業大学駒場」 このエリアの中堅校として、系列に大学を持つ三つの共学校も押さえておきたい。文化学園大学杉並(杉並区)は、六つの入試回で2科、2科・4科、適性検査型、英語特別という四つの区分の入試を行っている。24年の受験者数が多い順に見ていこう。146人が受験した[1日午後2回2科・4科]は実倍率1.49 倍(23年2.22倍、22年2.28倍)と、[1日適性検査型]の1.36倍に次いで受かりやすい入試回だが、志望者数がほぼ2倍増しており、25年は2倍乗せも考えられる。 96人が受けた[2日午後4回]は2科で、実倍率2.53倍(23年1.87倍、22年2.95倍)と隔年で上下しているが、志望者数は2倍強増えており、25年は2倍台後半に向かいそうだ。87人の2科・4科[2日3回]は2.23倍で、志望者数は2割増となっており、25年は2倍台半ばを目指す展開だ。77人の2科[1日1回]と75人の2科・4科[3日5回]は、3.85倍と1.83倍という具合に実倍率に大きく開きがあるものの、志望者数を見ると、1回は2倍増、5回は3割強増といずれも上昇機運で、25年には5倍乗せと2倍乗せもあり得そうだ。 [1日午後英語特別1]は70人が受験して、1.52倍だった。志望者数は5割半増えており、25年はさらに受験生が増えそうである。英語で受けるなら、[2日午後英語特別2]の方が受験者数は15人と少ないが、2.5倍とハードルは上がる。 元工業系の男子校だった日本工業大学駒場(目黒区)は、普通科のみに変えてから、年々人気が上がっている。志望者数を見る限り、25年も“全面高”の様相を呈している。得意2科・4科・適性検査型がある[1日1回]は、24年に245人が受けて実倍率2.15倍と、一番低倍率の入試回だった。志望者数は2割増えているが、25年に3倍を超えることはなさそうだ。 他の入試回はいずれも3倍以上で、ハードルは高い。得意2科・英検利用・プレゼンテーション型のある[1日午後2回]は最多の362人が受験、3.73倍(23年3.59倍、22年2.55倍)だが、志望者数は6割増で、25年の4倍乗せは確実に思える。1回と同様の入試科目を課す[2日3回]と2回と同様の[2日午後4回]はいずれも244人が受けて、実倍率は3.54倍と6.97倍と大きく開いた。志望者数は5割増と2倍強増と絶好調で、25年は特に4回が10倍に乗せてもおかしくない。 残りの2回は得意2科・4科となっている。[3日5回]は193人が受験、5.22倍だったが、こちらも志望者数が2倍半以上増えており、25年の倍率を想像するのが恐ろしい。126人が受けて3.94倍だった[5日6回](24年は特別選抜)も志望者数が4割半増えており、25年に4倍を超えることは間違いなさそうだ。