農大一、久我山…東京「中高一貫」の人気校密集地帯、“城西・城南”に起こる波乱とは?【2025年共学校編5】
● 城南エリアの元女子リニューアル校人気 23区南部(目黒区・品川区・大田区)の城南エリアでは、東京都立桜修館中等教育学校(目黒区)が最も難度の高い中高一貫共学校となっている。それに続く私立の中堅校は、いずれも女子校のリニューアル校で、ここ数年、人気と難度を上げてきた。 男子受験生に人気の青稜(品川区)は、いずれも2科・4科の教科型だ。22年から徐々に緩和傾向にある。24年に245人が受験した[1日1回A]の実倍率は3.18倍(23年3.2倍、22年3.45倍)だが、志望者数は1割弱減っており、25年は3倍を維持する程度になる可能性もある。[1日午後1回B]は最多の323人が受験して2.91倍(23年3.42倍、22年3.46倍)だったが、志望者数は1割強減で、25年にはさらに緩和しそうだ。 [2日2回A]と[2日午後2回B]は、276人と297人が受験、3.07倍(23年5.26倍、22年5.06倍)と3.34倍(23年4.01倍、22年4.37倍)だった。志望者数は前年並みと微増で、25年にいずれも3倍を割ることはなさそうだ。 青稜にも近い小野学園女子は20年度から品川翔英(品川区)に衣替えしたが、七つの入試回を設け、2科・4科選択型、得意選択2科型、算数or英語1科、2科・3科・4科選択型(特待)、適性検査型(特待)、特待生(2科型)、ラーナー型という多彩な入試区分を用意しているが、24年と25年で入試内容には変更が見られる。 受験者数が多い順に見ていこう。[1日1回適性検査型]は98人が受験して実倍率は1.13倍、[1日1回2科・4科選択型]は同様に51人で1.21倍、[2日3回2科・4科選択型]は40人で1.21倍となっている。特に[1日1回2科・4科]は、志望者数が3.5倍増と人気で、25年は2倍を大きく超える入試回となる可能性が出ている。[1日午後2回特待生]は、33人受験で5.5倍(23年10.67倍、22年5.79倍)と例外的に狭き門だが、25年は再び増加機運にあるようだ。 かつては芸能人も多く在籍した日出女子学園は目黒日本大学(目黒区)となってから、年々人気が上がっていたのだが、やはり日本大学系列の緩和傾向もあって、25年入試は全体的にハードルが下がりそうだ。付属小学校からの内部進学もあるためか、中学での募集は40人と少なく、全体的にかなりの高倍率となっている。 [1日1回4科]は24年に152人が受験して実倍率3.45倍だった。25年は少し上積みしそうな志望者状況となっている。[1日午後算理]と[2日3回4科]は、志望者数が1割半減と2割弱減となっており、25年は緩和が見込まれる。とはいえ、24年実倍率は4.23倍と5.17倍で、受かりやすくなる印象は受けないだろう。 特待選抜もある[2日3回適性検査型]と[4日4回2科]は、志望者数が横ばいの3回こそ24年実倍率3.79倍前後に25年もなりそうなものの、2割半志望者数が増えている4回は、261人と最多の受験者数を集め5.22倍だった実倍率が、25年には6倍超えも視野に入っており、一番の狭き門となりそうだ。