農大一、久我山…東京「中高一貫」の人気校密集地帯、“城西・城南”に起こる波乱とは?【2025年共学校編5】
● 存在感を増してきた“目黒系” これまでどうしても“世田谷系”に注目が集まってきたが、昨今の中学受験ブームは意外と校数が多い“目黒系”にも光を当てている。それでも、まだ受けやすくて受かりやすい学校が多い。 2018年度から共学化した八雲学園(目黒区八雲)は、144人を五つの入試回で募集する。2科・4科の1回から3回は英検3級程度以上で加点も受けられる。24年の実績を見ると、[1日1回]は受験者数54人で実売率1.2倍、[1日午後2回]は最多の135人で1.1倍、[2日午後3回]は57人で1.19倍と、いずれも受けやすくて受かりやすい。志望者数を見ると総じて大きく減少傾向のため、25年はさらに緩和しそうだ。得意2科の[3日午後4回]は79人で1.13倍だったが、志望者数は2倍増しており、25年は一番の人気入試回となりそうだ。[5日未来発見]は国算英の1科と自己表現文の入試だが、39人で1.15倍だった。志望者数は減少傾向にある。 多摩大学目黒(目黒区下目黒)は進学・特待・特進の三つに募集人員を区分している。合わせて34人を募集する[1日進学1回]と[2日進学2回]は、24年の受験者数が63人と107人、実倍率は3.15倍(23年2.4倍、22年2倍)と2.16倍(23年1.74倍、22年2倍)と年々ハードルが上がっている。志望者数を見ると、7割増と3倍増となっており、25年はいずれも4倍を超える勢いだ。 特待20人と特進60人を募集する五つの入試回は、志望者数がいずれも上昇しており、25年はさらに競争が厳しくなりそうだ。24年に、218人と最多の受験生を集めた[1日午後特待・特進1回]は実倍率2.16倍(23年1.74倍)だったが、志望者数が3割弱増で、25年も最多受験者数を更新しそうだ。101人で2.66倍だった[2日午後特待・特進2回]は、志望者数が6割半増えており、25年に3倍乗せも視野に入った。 [3日午後特待・特進3回]は受験者数166人と2番目に人気のある入試回だが、24年の3.07倍が25年はさらに上積みされそうだ。[ 4日特待・特進4回]と[6日特待・特進5回]は、121人と125人が受験して、4.17倍と4.63倍と同じような状況にある入試回だが、志望者数は1割半増と3割半増で、25年に5回は5倍に乗せるかもしれない。 四つの入試回で75人の合格者を24年に出した目黒学院(目黒区中目黒)は、募集人員が約36人と少ない。志望者数は少ないながらも全体的に上向きだ。総合能力・2科・1科(英語か数学)の区分がある[1日1回]は、24年に21人が受験して実倍率1.4倍だった。2科・4科の[1日午後2回]は22人で1.29倍、4科・2科・1科(国語か算数)の[3日午後3回]は最多の45人で1.29倍だった。志望者数3倍増の3回は、25年も受験者数を積み増しそうだ。[5日4回]は13人で1.63倍だったが、志望者数は3割強増えている。