「寝ても疲れが取れない人」が勘違いしている「効率的な休み方」の驚くべきコツ
「自席でコンビニ飯」をやめてみる
――オンラインゲームが好きな場合はどうすればいいですか。 ゲームをすることで休まるのであればいいと思います。ただ、すでにお話したように、過度なデジタルデバイスの利用がよくないことを理解しておく必要があります。スイーツやお酒も同じです。我慢してストレスになるなら食べてもいいけれど、食べすぎ、飲みすぎは健康を損ねる可能性がある。その点でもリテラシーを身に着けることが大切といえます。 それから、勤務時間中の余白も意識してほしいです。ちょっと空いた時間に給湯室で同僚と会話を交わせば「親交タイプ」の休養が取れるし、近所を散歩すれば「運動タイプ」になる。昼食にしても自席でメールを読みながらコンビニのおにぎりを食べるのと、近くのレストランでテイクアウトしたお弁当を公園で食べるのではまったく異なります。 ――自席で食べたほうが効率的かと思っていました……。 そうすると交感神経が優位な状態が続いて疲れてしまいます。しかも、職場では上司や同僚、取引先のペースに合わせたりして、なかなか自分のペースで仕事ができません。ペースを乱されるとストレスになりますから、自分のペースで休養する時間をつくって副交感神経を高め、バランスを取る。生産性の高い仕事をするためにも、自分のベストな休養の方法を見つけることが大切です。 ――ベストな休養を見つけるコツはありますか。 私は「三つのこと」を毎日メモすることをお勧めしています。一つは「朝起きた時の感覚」。「調子がいい」「ちょっと疲れている」でもいいし、100点満点で点数をつけてもいい。簡単でかまわないので自分の疲労感を可視化します。 二つ目はオンタイム、つまり活動を終えた時の状態で、自分は何%の活動ができたのか、満足できたのかなどをメモする。そして、最後に前日の「オフタイムの過ごし方」を具体的に書き留めておき、3つを振り返る。このメモを毎日続けてデータとして蓄積していくことで、どのような休養をとれば適正なパフォーマンスがとれるのか、だんだんわかってくるはずです。 1週間の捉え方の意識を変えることも効果的です。日本リカバリー協会では「2.5運動」を提唱しています。一般的に、1週間は5日の平日の後に休日が2日ある感覚ですよね。しかし、これでは休日に向けてだんだん気がゆるみ、パフォーマンスが下がっていきがちです。 そこで、1週間がたとえば土曜から始まるように持ってくる。平日5日間にやるべきことを考えたうえで、休日をどう過ごすかを考えるのです。そうすれば「今週は忙しくなるから休日に活力を蓄えよう」と積極的に休養を取るようになります。