「寝ても疲れが取れない人」が勘違いしている「効率的な休み方」の驚くべきコツ
「攻めの休養」が大事
――仕事が終わった後もオンラインゲームをしたり、動画を観たりして過ごす人も多いですよね。 そうなんです。寝る前にだらだら観て必要な睡眠時間まで削ってしまう。しかし、いまやデジタルデバイスがなければ仕事ができません。だから私は、オフタイムのマネジメントを提案しています。これまでオンタイムばかり重視されてきましたが、オフタイムを管理してしっかり休養を取ることが、オンタイムでの適正なパフォーマンスにつながるのです。 そのためには、「ただの休養」から「攻めの休養」に切り替えることが大切です。「守りの休養」とは朝起きて活動し、疲れたから休養するという従来の「活動→疲労→休養」のサイクルのこと。休養は「何もしないこと」「寝ること」でしたが、それで十分に回復しないことは、日本人の約8割が疲れていることからも明らかです。不十分な状態で再び活動するから疲れが蓄積されていく。三角形のサイクルはバランスがいいとはいえません。 ここで一つ質問。「活動」の対義語は「休養」です。では、「疲労」の対義語は何でしょうか。 ――「休養」ではないのですか。 そう思われがちですが、辞書には「活力」と書かれています。そこで、三角形に「活力」を加えて四角形のサイクルにするとバランスがよくなる。つまり、疲労回復に重要なのは「活力」を高めてあげることなのです。これが「攻めの休養」です。 ――「攻めの休養」とは、具体的にどう攻めていけばよいのでしょうか。 休養の種類は大きく「生理的休養」「心理的休養」「社会的休養」の3つに分類でき、さらに7つのタイプに細分化されます(図表参照)。みなさんがこれまで休養としてきた「睡眠」や「安静」は「休息タイプ」になります。 一つだけでもいいですが、自分の気分や嗜好に合わせて、複数のタイプを組み合わせるとより効果的です。でき合いのスープを飲むと「栄養タイプ」の休養になりますが、自分でスープをつくって家族と公園で飲めば、「栄養タイプ」に加えて「造形・想像タイプ」と「親交タイプ」、「転換タイプ」も得られて、よりリフレッシュできます。