「北朝鮮がロシア派兵」その情報に現実味はあるか、兵士1万2000人、砲弾800万発の支援は可能か
2024年10月中旬になり、ウクライナと韓国が「北朝鮮軍がロシアに派兵、ウクライナの戦場へ向かう」という主旨の情報を流し始めた。 ウクライナのゼレンスキー大統領も、自国の情報当局の話として「ロシア軍が北朝鮮兵士1万人を動員する準備を進めている」と明らかにした。続く同月22日には、北朝鮮がロシアにそれぞれ6000人規模の2つの旅団を派遣すると演説で述べた。また、韓国の情報機関・国家情報院は10月18日に「兵士や兵器の輸送が始まっている」とし、すでに1500人が派遣、その後追加で1500人が移動すると発表した。
一方で、これらの情報に対してロシアと北朝鮮は否定し、アメリカやNATO(北大西洋条約機構)は情報に同意を示しつつ、はっきりとした事実確認を避けている。現段階で表出した情報の中味を具体的に見ていきたい。 まず「北朝鮮軍のロシア派兵」に関して、どのような情報が出されているか。 2024年10月15日にウクライナ国営ウクルインフォルムは、ウクライナ情報機関当局者の話として「約3000人の北朝鮮人がロシア軍の複数の部隊に所属している」と報道した。これまで、ウクライナ北東部ハルキウの戦闘で使われたミサイルが北朝鮮製だったこと、またウクライナと国交を接するロシア・クルスクやブリャンスク州で北朝鮮兵士の姿を確認したことをウクライナ側から明らかにしてきた。
また、インターネットメディア『ウクライナ・プラウダ』は2024年10月25日、「ロシア軍が北朝鮮兵士で構成される『ブリヤート特別大隊』を編制し、すでに18人の北朝鮮兵士が脱走している」と報じた。 ■ウクライナ情報機関の情報 10月17日にウクライナのゼレンスキー大統領は、「ロシア軍は1万人の兵士を動員する準備を進めており、一部がすでにロシアが実行支配している地域で活動している。ロシア軍は大きな損失を受けているが、ロシアの国内世論は動員に反対している。(必要な兵士数との)ギャップを埋めるために北朝鮮兵士を巻き込んでおり、これは深刻な緊急事態だ」と明らかにした。