雪の季節到来告げるササラ電車 現役車両は明治生まれ、函館で試運転
観光地の北海道函館市を走り抜ける函館市電の除雪車「ササラ電車」が13日、試運転された。ササラとは竹ひごを束ねたブラシのことで、これを電動で回転させてレール上を除雪する。明治生まれのササラ電車は今も現役だ。 【写真】ササラを点検する整備員=2024年11月13日、北海道函館市 函館市電のササラ電車は2両あり、ともに明治30年代に製造され、元は東京で客車として使われていた。1934(昭和9)年の函館大火で大量の車両が焼失したため、函館市電の前身会社が東京市電気局(現・都交通局)から購入。3年後にササラ電車に改造され、これまで使われてきた。 車両の前後には計900束のササラが装着され、1分間に最高300回転させて竹の反発力で雪をはじき飛ばす。1束(長さ約25センチ、口径約4センチ)は約200本の竹ひごからできている。中華鍋を洗うための竹製ブラシをヒントに開発され、札幌市の路面電車で使われるようになったとされる。ササラ電車は現在、函館と札幌だけで走っている。 函館市企業局は「これからも長く使えるよう大事に整備していきたい」と話している。(野田一郎)
朝日新聞社