「膠原病」の症状はご存じですか? 病気の種類や“腎臓”への影響も医師が解説!
膠原病と診断されたら腎機能にも要注意
編集部:腎機能障害について、もう少し詳しく教えてください。 上野先生:腎臓は、血液を濾過して尿を作って体内の老廃物を捨てたり、水分や電解質の調節をしたり、骨をつくるのに必要なビタミンDを活性化させたり、血液を作る造血ホルモンを分泌したりと、非常に多くの働きがあります。腎臓に障害が起きると、これらがうまく機能しなくなり、尿の中に捨てられるべき毒素が蓄積したり、体がむくんだり、貧血になったりします。ただし、これらの症状は腎臓の機能が高度に障害されないと表れません。あくまでイメージですが、正常な腎機能を10とすると、2~3を切るまで低下しないと自覚症状が出てこないのです。そして、困ったことにいちど悪くなった腎機能は基本的に二度と元には戻りません。そのため、早期発見と早期介入が非常に重要なのです。 編集部:膠原病と診断されたらどうしたらいいのでしょうか? 上野先生:膠原病は診断名ではないので、膠原病の中でもどの病気なのかをしっかりと診断してもらい、どの内臓障害が出やすいかに注意しながら、その病気に応じた治療戦略を立てていくことが大切です。そのためには、できるだけ早く専門医に相談して、臓器障害の有無を確認することが重要です。 編集部:最後に、読者へのメッセージをお願いします。 上野先生:膠原病は、その病気の種類の多さからもわかるとおり、症状が多岐にわたります。「なんだか全体的に体調が優れない」「疲れやすいと感じる」「皮膚症状や関節症状があるが、日常生活に差し支えるほどではない」といった、なんとなく続く症状が主体になることも多く、疑わなければ見つけることが難しい病気でもあります。しかしその一方で、膠原病の中には急速に臓器障害が進み命に関わるケースもあるため、いずれにしてもできるだけ早く見つけて治療につなげていくことが必要です。気になる症状があれば、お気軽に医師へご相談ください。