平成から令和へ、ROXY(ロキシー)が紡ぐ世代を超えたその魅力
「ROXYが下の世代にアプローチしていくことにより、次第に中学生の人気ブランドへと変わっていきました。一方で、赤文字雑誌を中心にハワイブームもあったので、『JJ』にもROXYのアイテムが掲載されていた時代でもありました。2000年代に入ってからは、90年代とは違うさまざまな形でROXYが注目されようになっていきましたね」 そして、2009年、2010年くらいから徐々にROXYも方向転換をしていったという。 「この頃から、低年齢系の雑誌にリースをするのを徐々に控えるようになりました。その中で、メインとしてやはり『Fine』だけが残りましたね。 ROXYのブランド自体がガラッと変わっていったのではなく、本来のブランドコンセプトでもあるプロサーファーに寄り添った感じの方が大きいです。 海外では、プロサーファーに寄り添っているブランドとして変わらずにいましたが、日本ではギャルブームや、その後にティーンエイジャーからの支持など、多少なりとも時代のムーブメントによる影響は受けました。
しかし、そのような背景の中で、本来のアスリートに向けたものを粛々と変わらず作り続けていたことも、ROXYが大きく時代に左右されなかった理由のひとつにあると思います」
これからも、プロサーファーを支えるブランドとしてあり続けるために
90年代から2000年代…時代のムーブメントとともに駆け抜けたROXYだが、本来はトッププロサーファーに向けたブランドとして設立された。 現在も、プロロングボーダーの田岡なつみ選手やチームROXYの活躍が注目されている。 その一方で、G-SHOCKとのコラボレーションや湘南茅ヶ崎の人気アイスクリームショップ『Plenty's』とのコラボレーションも話題になっているが、今後の課題はあるのだろうか。 「やっぱり各年代の方との関わり方をどうするべきかというのは、試行錯誤ですね。たとえば、『Fine』世代のお母さんと10代後半のお子さんとでは、情報の入手の仕方も違うし、欲しいと思う要素も違います。 この部分をどう両立させながら、上の世代も卒業させず、下の世代にもアプローチするということをやっていくのが今後の課題だと思っています」 ROXYのアイテムにはサーフアイテムとしてだけではなく、スノーボードやフィットネスウエア、機能性のあるリュックなど、さまざまなスポーツを通してROXYのアイテムをセレクトする楽しさがある。 若者だけではない、スポーツに親しむ女性にとって心強いブランドであるROXY。それは、令和になっても変わることはない。 「今後も変わらずに、女性を応援しているブランドというのを発信したいと思っています。年代関係なく、スポーツを通して、これから何か始めようと思っている方も含めて応援したいですね。その象徴として、アスリートの夢や、オリンピックには行けなかったけど、セカンドキャリアとしてスクールを立ち上げようという方も応援したいです。 これからも、スポーツを通して女性に寄り添うブランドであり続けたいと思っています」