平成から令和へ、ROXY(ロキシー)が紡ぐ世代を超えたその魅力
「1990年にROXYは誕生しましたが、立ち上げからロゴが決まるまでの3年間は、世界的に見てまだ認知度は高くなかったです。
1993年くらいに、アメリカの水着ブランドを買収し、ディレクターにランディ・ヒルドが就任、1995年くらいからどんどん世界的に広まっていきました。日本でギャルカルチャーとともに大ブレイクするのは、その少し後になります」
『Fine』とギャルカルチャー、相乗効果で大ブレイクをした90年代後半
ROXYといえば、サーフ雑誌『Fine』との関わりは深い。 昨年花村さんが発起人となって、刊行された45周年特別号では、まるで90年代を彷彿とさせるような雰囲気が表紙を飾っている。
「90年代後半はまさにギャル全盛期の時代で、ROXYもギャルに人気のブランドのひとつとなりました。 当時のROXYは、ギャルが好むマルキューブランドの性質もありつつ、ムラサキスポーツや、ミナミスポーツ、オッシュマンズといったスポーツ用品店にも並ぶブランドでもありました。 要するに中和剤というか、スポーツブランドではありますが、ギャルブランドと一緒に着られる部分もあったので、そういうところが人気の要因だったのかもしれません。 その後、ギャルカルチャーが衰退しても生き残ることができたのは、スポーツブランドとしての強みがあったからだと思いますね」
1996年くらいから徐々に日焼けした若者が増え始め、「ギャル」という存在が世間の注目を浴びるようになってくる。 また、109がギャルの聖地として認知され、ギャルブランドがにぎわせていた時代でもあったが、意外にもそこにROXYの直営店はなかった。
「クイックシルバーボードライダーズクラブという直営店にROXYが置いてあり、また当時109にも輸入販売店があって、そこでも販売していました。 また、スポーツ量販店も、原宿のムラサキスポーツだけではなく、渋谷のスペイン坂にもムラサキスポーツがあって、明治通りや竹下通りにも似たような店舗がありました。 当時を振り返ると、原宿・渋谷でROXYを買えるところは結構あったように思います」