平成から令和へ、ROXY(ロキシー)が紡ぐ世代を超えたその魅力
そして、90年代のサーフブームの火付け役として木村拓哉の存在は大きかった。 木村拓哉がカリスマとして時代をリードするとともに、彼を目指す男の子も増えていった。そこに寄り添う女の子像として、ROXYの売り上げも比例していく。 当時は、ROXYというと『Fine』の読者モデルが愛用しているイメージが強かったが、ミューズのような人は存在したのだろうか。 「特定のミューズというよりも、『Fine』の読者モデルの影響が一番大きかったですね。 当時のノリや雰囲気もROXYのイメージとよく合っていたと思います。やはり『Fine』の存在は大きく、当時のROXYを牽引してくれたと思っています」
さまざまなムーブメントともに、時代の波に乗った2000年代のROXY
ギャルカルチャーに牽引された90年代だったが、2000年代に入るとさまざまなところでROXYが注目され始める。 2000年代以降、ギャルカルチャーは徐々に落ち着きを見せてきたが、そのかわりに海外セレブたちが世間をにぎわせ始めた。 パリス・ヒルトンやキャメロン・ディアスなどのセレブリティが、サーフィンの際にROXYを愛用していることで注目され、また当時クイックシルバーのメインアスリートだったケリー・スレイターの影響も大きく作用した。セレブリティとも親交がある彼が、サーフィンを教える際にROXYのウエアを提案することにより、90年代とは違う角度から注目を浴びることになる。 また、2005年頃にはプロスケーターの浅田真央が愛用しているブランドとして話題となった。 「浅田真央さんの好きなブランドのひとつとしてROXYの名前が挙がったときは、問い合わせが凄かったですね。 当時の浅田真央さんは、まだ15歳で国民的ヒロインのような存在だったので、かなりの影響力がありました。クイックシルバー渋谷の路面店にも、よく買いに来てくれました」 そして、2005年頃からリースする雑誌にも変化が現れる。 『Fine』にはずっと変わらずにリースを続けていたが、ギャル雑誌ではないティーン誌が注目される時代に突入し、ティーン誌へのリースが増えていくようになる。 また当時は、ジュニア雑誌も影響力があり、90年代と比べると、ROXYの購入層も低年齢化していった。