平成から令和へ、ROXY(ロキシー)が紡ぐ世代を超えたその魅力
ハートのロゴが印象的なサーフブランドROXY(ロキシー)。 筆者と同世代なら、サーフ雑誌『Fine』とギャルカルチャーをイメージし、Z世代であれば、プロサーファーの愛用ブランドをイメージするだろう。 世代によって、ROXYの印象は変わるかもしれないが、共通しているイメージは「女性のためのアクティブライフスタイルブランド」というのには変わりはないだろう。 ROXY は1990年の誕生から、現在も人気のレディースサーフブランドとして業界を牽引しているが、どのようにしてブランドが誕生したのだろうか。 今回は、90年代にギャルカルチャーとともに大ブレイクをしたROXY、2000年代のROXY、そしてプロボーダーを支える現在のROXYについて、ROXYブランドマーケティングマネージャー・花村朋彦さんにお話を伺った。
平成とともに誕生した、女の子向けサーフブランド
気がつけば、夏と海とROXYがセットのイメージになってしまっているくらい、ROXYは女の子にとって定番のサーフブランドとして君臨している。サーフアイテムだけではなく、アパレルやスノーウエアとさまざまなアイテムを展開しているが、当初はどのような経緯でブランドが立ち上がったのだろうか。 「もともとROXYが生まれる前段として、クイックシルバーというメンズブランドが運営されていました。当時、アメリカにいる社長がハワイで、サーファーの女の子がメンズのボードショーツをビキニの上に履いているのを見かけたのが、着想を得たきっかけらしいです。当時はまだ、レディースのサーフブランドがない時代だったので、新鮮に映ったのでしょうね」 Boardriders(ボードライダーズ)が展開しているクイックシルバーは、ボードライディングカンパニーとして、1969年にサーファーたちがオーストラリアで立ち上げたブランドだ。
そのサーファー仲間のひとりでもある、クイックシルバーUSAの設立者・ボブ・マックナイトが、アメリカ・カリフォルニア州に本拠地を構えて本格的にサーフブランドとしてスタートする。 その20年後にレディースブランドとしてROXYが誕生するが、当初はロゴがなく、クイックシルバーのロゴにROXYの名前をつけたシンプルなものだった。 クイックシルバーのロゴは、葛飾北斎の浮世絵「富士山と波(神奈川沖浪裏)」をモチーフにしているという話は有名だが、そのクイックシルバーのロゴを向かい合わせ、ハートマークにしたのがROXYのロゴになる。