掛布氏に聞く…藤川球児の引退試合「重信君は分かっていませんね」発言の真意
掛布氏の引退試合は、1988年10月10日、甲子園でのホーム最終戦のヤクルト戦だった。9月に引退発表をした際、球団からは「1軍に上がって、全国の各球場でのお別れの機会を作ること。最終戦での引退セレモニー」を打診されたが、「1打席でも若い人のチャンスを奪うことは去っていく私の本意ではない」と辞退した。 「ひとつだけ我儘を言わせてもらえるなら、甲子園の最終戦でファンの方々に別れを伝える打席をください」と要望し、「4番・サード」でスタメン出場した。最後の打席は四球だった。相手投手はギブソン。一塁まで歩いた掛布氏に代走が送られた。 その際、キャッチャーからは、「すみません。ストライクが入らなくて」と、“謝罪”があったという。 「ボール球でも振ればよかったのかもしれないが、それは私の哲学に反することでした。それはそれで思い出に残る最終打席でした」 そういう引退試合を経験してきた掛布氏だからこそ、解説で思わず重信へのコメントが口をついたのかもしれなかった。 「私も藤川君がツイッターで発信した意見と同じ考えです。もうこのことを巡っての賛否の議論は終わりにしましょう。本質とは離れていくばかりですから」 掛布氏の“解説”もここまで。 掛布氏もまた騒動の終結を願った。 ただ掛布氏には野球と真剣に向き合った議論をすることは重要だとの考えがあり、近日中にも会員制オンラインサロン「掛布塾(仮名)」を開設。今後はファンと意見を積極的に交換する機会を作っていきたいという。