新興のAIソフト企業、約2000兆円規模の米国サービス業界を席巻する見込み
ビジネスプロセスが人工知能(AI)を活用した業務に変わりつつあるというのは、もはや目新しいニュースではない。SalesforceやHubSpot、Microsoftのような企業は2024年に、顧客サービスや営業といったビジネス業務向けのAI「エージェント」機能を数多く発表した。 Bank of Americaによると、最近では、投資家らが支援する多くのソフトウェア企業が、AIを活用してまったく新しいアプリケーションを一から開発し、法務サービスや医療など、従来はテクノロジーが入り込みにくかった分野を改革しているという。 Bank of Americaのソフトウェアおよびサービス担当アナリストであるAlkesh Shah氏は、AIのトレンドについて話し合うために先ごろ開催されたオンライン会議に基づく米国時間12月13日付のレポートで次のように述べている。「AIネイティブの新興企業が今後数年間で急増し、12兆3000億ドル(約1930兆円)規模の米国サービス業界において、次第に浸透が進むと予想している」 Shah氏は、ベンチャーキャピタルの支援を得た新興企業が次から次へと現れる様子をインターネットの黎明期になぞらえ、「1996年のように生まれてくる」と述べた。 オンライン会議で取り上げられた新興企業として、サンフランシスコを拠点とするHippocratic AIがある。2022年に創設された同社は、大規模言語モデルを利用して、救急外来受診の必要性を判断するための患者の評価など、非診断医療業務を自動化している。 アナリストらは、Hippocratic AIの共同創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるMunjal Shah氏から、「導入例が増加中で、エージェントに対する満足度は高く、一方で費用は人間の看護師の場合が1時間につき50~90ドル(約7900~約1万4000円)なのに対し、エージェントなら1時間につき9~10ドル(約1400~約1600円)と大幅に抑えられる」との説明を受けた。 スペインのバルセロナを拠点とする別の新興企業vLexは、大規模言語モデルを利用し、訴訟の相手側弁護士が利用するかもしれないと想定される主張を生成して、弁護士やパラリーガルが戦略を練るのを手助けする。 vLexのソフトウェア「Vincent AI」は、多くの文書の検索を高速化することもできる。「7カ国のプライバシー関連の法規制を分析するのに必要な時間が、数週間から数分間に短縮される可能性もある」とBank of Americaのアナリストは述べている。Vincent AIのプラットフォームは、世界のトップ10法律事務所のうち8つの法律事務所に200万人のユーザーがいる。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。