大学入試の多様化進む「一般と総合型」何が違う? 求められている「三要素」を理解しミスマッチを防ぐ
今年もすでに大学入試のシーズンが始まっている。大学入試においては近年、選抜方法の多様化が進み、「総合型選抜」を実施する大学が増加。その一方、総合型選抜と一括りに言っても評価方法はさまざまで、その複雑さから「一般入試は無理でも総合型なら受かる」「コンクールで結果を出したり、ボランティアをしたり、活動実績をそろえると有利」といった真偽不明の「ウワサ話」も伝わる。 そのため大学の意図と、受験者側のミスマッチが生じやすく、今年の総合型選抜でも「活動実績はあったのに不合格だった」という事例が散見される。そうならないためには、受験生をサポートする保護者の側にも、相応の正しい理解が求められる。そこで改めて「総合型選抜とは何か」「どうすれば総合型選抜で選ばれる存在となるのか」について解説していく。 【画像】一般・総合型・学校推薦型、それぞれの評価方法の違いを一覧表で確認
■そもそも大学入試では何を審査するのか? 「総合型選抜」について考えるにあたり、そもそも大学入試では何を審査しているのだろうか。ここから考えてみたい。 まず、「大学教育にふさわしい学力」を受験生が持っているかどうか。このあたりは、みなさんも推測できるだろう。ところが、「大学教育」の水準は、大学が多様化する中で、個々の大学でこの水準も大きく変わる。 元来「法学部」であればどの大学でも同じ内容を学べるべきであろうが、残念ながら、入学者の学力水準、知識量、理解度が大学によって異なる現状がある。そうしたことから入学者選抜試験の水準が個々の大学で違ってくる。
次に、「学力の三要素」のそれぞれの観点で審査することを文部科学省は求めている。つまり、学力試験といった一側面だけではなく、多面的に受験生の「学力」を審査することを求めている。 「学力の三要素」とは、学校教育法第30条第2項に「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない」に記載されている、次の三要素である。