【70歳代夫婦の平均的な年金生活】年金月額・生活費・貯蓄額はいくら?約6割の高齢者世帯が「年金収入だけで生活できない」状況に…
少子高齢化が進む中、年金生活を送るシニア世代の貧困は大きな問題となっています。 現役時代にしっかりと資金を蓄えていても、退職金をしっかりと受け取ったとしても、「老後破産」に陥ることがあるようです。 ◆【グラフで見る】高齢者世帯の平均的な暮らしぶりは「赤字」?!年金・生活費・貯蓄はいくら? これは決して現役世代の収入や年金額が少ない家庭に限られた話ではありません。 セカンドライフを安心して迎えるためには、どういった対策が必要になるでしょうか。 本記事では、いまの70歳代の暮らしぶりを「年金額・生活費」と「貯蓄額」から確認していきます。 現役のシニア世代の暮らしを理解したうえで、老後資産をどのように準備すればいいのかについても考えてみましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金世帯の約6割が「年金だけで100%生活できていない」
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで100%生活している高齢者世帯は41.7%です。 上記を言い換えると、老齢年金を受給している世帯の約6割が「年金だけで生活していない」ことになります。 では、現在のシニア世代は、毎月いくらの年金収入を受け取っているのでしょうか。 次章では、厚生年金・国民年金の平均受給額を確認していきましょう。
現シニア世代が受け取っている「厚生年金と国民年金」の平均月額はいくら?
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、厚生年金と国民年金の平均受給額を確認していきます。 ●【全体】厚生年金の平均受給額(月額) ・〈全体〉平均受給額(月額):14万3973円 ・〈男性〉平均受給額(月額):16万3875円 ・〈女性〉平均受給額(月額):10万4878円 ※国民年金部分を含む ●【70歳代限定】厚生年金の平均受給額(月額) ・70歳:厚生年金14万1350円 ・71歳:厚生年金14万212円 ・72歳:厚生年金14万2013円 ・73歳:厚生年金14万5203円 ・74歳:厚生年金14万4865円 ・75歳:厚生年金14万4523円 ・76歳:厚生年金14万4407円 ・77歳:厚生年金14万6518円 ・78歳:厚生年金14万7166円 ・79歳:厚生年金14万8877円 全体の平均受給額は14万3973円ですが、70歳代では平均以上の受給額を得ている人が多いようです。 ただし、受給額には個人差が大きいため、その点には注意が必要です。 ●【全体】国民年金の平均受給額(月額) 続いて国民年金も厚生労働省年金局の同資料より確認します。 ・〈全体〉平均受給額(月額):5万6316円 ・〈男性〉平均受給額(月額):5万8798円 ・〈女性〉平均受給額(月額):5万4426円 ●【70歳代限定】国民年金の平均受給額(月額) ・70歳:国民年金5万7320円 ・71歳:国民年金5万7294円 ・72歳:国民年金5万7092円 ・73歳:国民年金5万6945円 ・74歳:国民年金5万6852円 ・75歳:国民年金5万6659円 ・76歳:国民年金5万6453円 ・77歳:国民年金5万6017円 ・78歳:国民年金5万5981円 ・79歳:国民年金5万5652円 上記の厚生年金と国民年金の平均受給額をもとに、平均的な夫婦2人分の年金収入は以下のように整理できます。 ・夫:厚生年金&妻:厚生年金=月額約27万円 ・夫:厚生年金&妻:国民年金=月額約22万円 ・夫:国民年金&妻:厚生年金=月額約16万円 ・夫:国民年金&妻:国民年金=月額約11万円 現役時代に夫婦ともに厚生年金に加入し、平均的な年金を受け取ることができれば、夫婦の年金月額は約27万円になります。 しかし、この金額から税金や社会保険料が差し引かれるため、実際には十分な額とは言えないかもしれません。 上記からも、年金だけで生活を完全にカバーできている高齢者世帯は多くないことがわかります。 老後においては、収入の多さよりも「支出とのバランス」が重要になります。 次章では、老後の生活費が1ヶ月あたりどのくらいかについて確認していきましょう。