大学入試の多様化進む「一般と総合型」何が違う? 求められている「三要素」を理解しミスマッチを防ぐ
【評価方法】調査書や推薦書の内容だけでなく、大学で必要な基礎学力も併せて評価される。少なくとも大学入学共通テストまたは小論文等、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等の評価方法のうちいずれかを必ず活用することを義務づけられている。 【日程】出願は11月1日以降、合格発表は12月1日以降、一般選抜試験の10日前まで(共通テストを利用する場合は前日までのなるべく早い期日)。
【募集定員】学部ごとの入学定員の50%以下に制限されている(短期大学を除く)。 ■特性を理解すれば見えてくる 上記をまとめると、総合型選抜は志願者の目的意識や学習意欲を重視し、書類や面接での評価が中心。また、高度な専門分野に特化した学部では、その分野に対する志願者の適性も重視される。 これに対して一般選抜は、学力検査を基盤とするため、知識・技能の精度と量、活用を重視。他の選抜方法と異なり、志願者の学力を中心に評価が行われ、各大学の特色を反映した多面的な評価尺度が用いられる。
学校推薦型選抜は総合型選抜に似ていると思われるかもしれないが、校長からの推薦に基づき、調査書や推薦書の記載内容が重要な評価材料となる点が異なる。一般選抜とは異なり、高校での学習や活動履歴を重視した多角的な評価が行われる。 こうして、整理して比較すると、それぞれの特性がはっきりとしてくる。大学が受験生になにを求めて選抜試験を行っているかがよくわかるのではないか。こうした基本的なまとめをすることで、真偽不明な「ウワサ話」に右往左往することはなくなるだろう。
次回以降は、こうした基本的な選抜試験に対する認識をもとに、「総合型選抜」を深掘りしたい。また、現行の学習指導要領から導入され、総合型選抜と相性がよいと言われる「探究学習」の在り方に関しても併せて考えていきたい。
後藤 健夫 :教育ジャーナリスト